見出し画像

会話がとても苦手です(コミュニケーションのヒント)

質問

結城先生こんばんは。大学生です。

私は大学に入るまで「他の人と何の役にも立たない雑談をするのは無意味だ」と思い込み、周囲とあまり会話せず、学部で孤立した状態のまま過ごしていました。

しかし、あるとき読んだ本に書かれていた「普段から言葉を交わさない人とは、仕事を任せられない。雑談はマナーである」という考え方を知り、感化されました。

それ以降、日常的な会話もするように意識し、そのおかげで、周りの人が持っている見習うべき行動や配慮が見え、勉強になっています。

しかしながら、普通の人なら中学、高校と積み重ねてきているはずのコミュニケーションの経験値が私にはないためか、不安に思うことがいくつもあります。

「今日はこんなことを言おう」と思っても、結局その話題にはならなかったりします。また「次回はこの話題を話そう」と一週間前から考えても、結局話されなかったりします。あるいは、バイトに行くときに「どういうことを話そうか」と事前にシミュレーションをしては悩んだりします。切りがありません。

このように、文章と違って推敲ができず、取り返しがつきにくい会話というものに、私は強い苦手意識があります。

先生は会話に悩んだことはありますか。

結城浩のメールマガジン 2021年8月10日 Vol.489 より

回答

ご質問ありがとうございます。

会話に苦手意識を持つ人や、思ったように会話が進まず悩む人はあなただけではありません。とても多いと思いますよ。

私はどうだったか、振り返ってみますと、中学生の自意識過剰な年代では、ギクシャクする会話が多かったかもしれません。でも、その年代以外には「会話が苦手である」という意識はあまりありません。

以下では「会話のコツ」の話をしましょう。ただし「こうすれば絶対大丈夫」という魔法のような方法ではなく、「こんなふうに考えてみてはどうでしょうか」という提案であるとご理解ください。


ここから先は

3,394字 / 1画像

¥ 300

あなたからいただいたチップは、本やコンピュータを買い、多様なWebサービスに触れ、結城が知見を深める費用として感謝しつつ使わせていただきます! アマゾンに書評を書いてくださることも大きな支援になりますので、よろしくお願いします。 https://amzn.to/2GRquOl