自分の時間、相手の時間(コミュニケーションのヒント)
※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。
こんにちは、結城浩です。
「コミュニケーションのヒント」のコーナーです。
今日はメールのやりとりと時間の話をしましょう。
●自分がメールの「送信者」の場合
重要な件でメールを送る。
早く返事がほしい。
しばらく待ってメールチェックする。
でも返事はまだ来ない。
「いったい、あの人は何をしているんだろうか。こんな重要な件にすぐ返事しないなんて!」
でも、ちょっと待って。
実際には、相手はまだメールを読んでもいないんだよ。
自分が生きているように、相手も生きていて、相手の時間をすごしている。
自分がメールを送ったからといって、相手がすぐに読むわけではない。
●自分がメールの「受信者」の場合
メールを受信した。
相手は重要なメールだと思っている。
しかもこちらの返事を待っている。
送信時刻を調べると、送ってからすでに半日が経っていた!
自分がメールを見たのは「ついさっき」だけれど、相手はすでに半日間もじりじりして待っていたのだ。それを理解すれば、返事は当然ながら「お待たせしてすみません」というトーンになるだろう。
●メールのやりとりで流れる時間
メールのやりとりはリアルタイムではない。
こちらが送る。相手が読む。相手が返事を送る。こちらが読む。そこには何ステップものギャップがあり、時間が掛かる。
メールを送るときにはそのギャップを予想してなくてはならない。
メールを受け取るときにはそのギャップによって相手に負担を掛けてしまった可能性にも注意する。
もちろん、今日の話もケース・バイ・ケースだ。「メールは人間関係」なのだから。ベストな対応はケース・バイ・ケース。場合によるのだ。
何年も一緒に仕事している間柄なら「このテンポで返事が来ないということは、きっとメールチェックしてないんだろう」と予想ができる。
でも、仕事をはじめたばかりの相手ではそんな予想は難しい。相手がどんなペースでメールを読むのかを理解していないために、思わぬ不信感を抱いてしまう危険性がある。
そうだ! もしかしたら、顔を合わせたミーティングのときには「メールに対するスタンス」について話し合っておくと良いのかもね。
(Photo by webtreats. https://www.flickr.com/photos/webtreatsetc/4293531423/)
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