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大学一年、教科書を読んでもまったくわからない(学ぶときの心がけ)

質問

結城先生、はじめまして。

私は学部一年の者です。サイエンスや世の中のいろいろなものに対する憧れや、神秘的に見える数々のものを知りたいという欲求から、今年の四月に理工学部に入りました。

先輩や教授の方々からいろんな話をうかがって、その話している言葉を理解しようと、また定期テストをパスしようと、数物を勉強し続けています。しかし、正直「学校の教科書を読んでも読んでもまったくわからない」というのが私の最近の悩みです。

自分は、理論の理解をしないとイメージがつかず、そのイメージがないと記憶がなかなかできません。ですから、教科書を読むときはまずそこに書いてある文面の理解をしようと努めます。確かに表層的に教科書で始まる唐突な議論を理解するのはできます。しかし、行間を読む能力が足りないからか、いざ問題になると何も解けませんし、結局理解ができていないので、一週間経てば何をやっていたかおぼろげにしか思い出せません

そういった結果、自分はこの半年で結局、何も得ていないのではないかと考えてしまい、最近は自分が何をわかっていないのかすらわからなくなってきました。

最先端の話を聞いたり、それを元に自分で考えたり、下地を作るために勉強をすることは大好きなのですが、勉強をいくらしてもいっこうに身につく気がしません。

結城先生、ものわかりが非常に悪い自分のような人が数物を勉強しようとしたときには、どのようにアプローチをしていけばいいのでしょうか。

結城浩のメールマガジン 2018年9月11日 Vol.337 より

回答

ご質問ありがとうございます。

これは、なかなか難しい問題ですね。

まず、結果からいいますと、方策としては、本を読む、人に尋ねる、自分で考える、という三つぐらいしかないわけです。では、どうするか。

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