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春雨ににほへる色も飽かなくに香さへなつかし山吹の花

#読人しらず #古今和歌集 122 #jtanka #短歌 #春

春雨でつややかに美しい色も飽きないのに、色だけではなく香りまでも心ひかれる山吹の花ですねえ。

「にほへる色」は「にほへ+る+色」。「にほへ」はハ行四段活用「にほふ」の已然形。〔は・ひ・ふ・ふ・へ・へ〕。「る」は完了の助動詞「り」の連体形。「にほへる色」は「つややかで美しい色」のこと。

「にほふ」の「に」はもともとは「丹」で、赤い色が浮き出て目立つようすが原義で、現代の嗅覚に関わる意味はありませんでした。

「さへ」は「添える」が原義で、「その上、……までも」という添加を表す副助詞。

「なつかし」は「心がひかれて寄り添っていたい気持ち」。

はるさめに にほへるいろも あかなくに かさへなつかし やまぶきのはな
はるさめに におえるいろも あかなくに かさえなつかし やまぶきのはな

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