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本はどんなふうに読むのがいいんですか?(Q&A)

※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです(結城メルマガVol.022より)

こんにちは、結城浩です。

「Q&A」のコーナーです。

このコーナーでは、読者さんからのご質問にお答えしています。複数の方からの質問をまとめる場合がありますのでご了承ください。また、質問は結城のほうで適宜編集させていただくこともあります。

●質問

結城先生は一か月にどれくらい本を読みますか。
読んでいる本はどんなジャンルが多いですか。
ご自宅には何冊くらい本があるんでしょうか。
また、本はどんな風に読むのがいいんでしょうか。
全体をさっと読む、じっくりと最初から最後まで熟読する、拾い読みする。
どの読み方がいいのでしょうか。

●回答

こんにちは。
いつもご愛読ありがとうございます。
またご質問もありがとうございます。

読書についてですね。本の冊数、本の読み方など。

●本の冊数

結城はときどき一ヶ月に読む本の冊数を聞かれますが、答えに窮することが多いです。というのも自分であまり冊数を意識していないからですね。読むときはざくざく何冊も読みますが、ほとんど読まない月もあります。日常的に読書の記録などをつけていませんので、正確なところはわかりませんが、

 少ないときは月に1〜2冊
 多いときは月に10〜20冊

というほどだと思います。

学生の頃はきちんと読書カードのようなものを作り、書名、著者名、要約、感想、読了日などを書いていた時期もありましたが、すっかりやめてしまいました。単純にあまりおもしろくなかったのと、役に立つことがあまりなかったからです。

結城のお仕事は、いわゆる資料を積み重ねてやることはあまり多くないです。たとえばたくさんの歴史資料を比較検討して自分の論を組み立てていくような仕事はあまりやったことがありません。むしろ少ない原理原則をもとにして、自分でそこから先を考えて展開することが多いですね。なので、このようないいかげんな読書でも何とかなっているのだと思います。

もちろん、本を書くために必要な資料は買ってしっかり読みますが、最後の最後はそこに書かれていることを忘れて、自分の言葉で書くことが多いです。

お仕事に直接関わる読書以外では、もっぱら楽しみのために読んでいます。それからうまく説明しにくいのですが、刺激を受けるというか、空気を吸うために読むこともあります。

読んでいるジャンルとしては、最近は数学に関する読み物、プログラミングの技術書、それから小説ですね。

自宅にある本の数はそんなにないです。数百冊のオーダーだと思います。それからPDFになっている本が数百冊。

●本の読み方

本の読み方については「こうしなければならない」という一般論は難しいです。本によっても違うし、目的によっても違うからです。

基本的に結城が好きなのは「繰り返して読む」という読み方です。

まずは全体をざっと読み、あとは長い時間をかけて何度も何度も繰り返して読む。村上春樹の『1Q84』も、ホフスタッターの『ゲーデル、エッシャー、バッハ』も、筒井康隆の『旅のラゴス』も、何度も何度も読んでいますね。

『Java言語で学ぶデザインパターン入門 マルチスレッド編』という本を書いたときには、Doug Leaという先生の書いたJavaのマルチスレッドに関する本を文字通りぼろぼろになるまで読んだのを覚えています。

結城が本を繰り返して読むのが好きなのはなぜかというと、

 「繰り返して読んでいると、
  ほんとうに良い本がわかるようになる

からかもしれません。

「良い本」といっても客観的な良し悪しという意味ではなく、「自分にとって良い本」という意味ですが。

逆の言い方をすると、何度も繰り返して読んでいると、

 「ああ、もうこの本はこれ以上読むに耐えないな」

と感じる本があるということです。

ほとんどの本は繰り返し読むのに耐えられません。

二度くらいは読めるかもしれませんが、何年も何十年も繰り返して読み続けられる本は少ない。

繰り返し読んでいるうちに、自分の愛読書が見つかってくる。自分が愛読する著者も見つかってくる。渡辺昇一が書いた『知的生活の方法』には

 「自分の古典を作る」

という表現が出てきますが、それと同じ話です。

繰り返し繰り返し同じ本を読んで、自分の古典を作る。自分の心にしっくりくる本で、自分自身を耕していく。もしかしたら、その本は、自分が探している何かを示唆しようとしているのかもしれない。私が本を繰り返し読むのが好きなのは、そういう理由です。

自分のお気に入りの作家、著者を見つけるというのは大事なことですね。繰り返し読める本を書いてくれる人。結城が現在お気に入りの作家は、

 筒井康隆
 村上春樹
 森博嗣
 江國香織
 西尾維新

など。外国では、

 ホフスタッター
 クヌース
 C.S.ルイス
 ルイス・キャロル

などです。あなたのお気に入りの作家さんはどなたでしょう。結城が好きそうな作家さんを紹介してくださるとうれしいです。

結城が繰り返し読む「自分の古典」としては、何といっても『聖書』ですね。それから、ハマトンの『知的生活』も30年以上読み続けています。そういえば、モンゴメリの『赤毛のアン』も長いです。自分が年齢を重ね、変化していくので、同じ本でも繰り返し読むと意味合いが変化していくのですね。

というところで、お答えになっているでしょうか。

ご質問ありがとうございました。

 * * *

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結城浩

書籍執筆者。著書に『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など。http://bit.ly/hyuki-mm にて「結城メルマガ」をnote配信中。https://bit.ly/girlnote にてcakes連載中。2014年度日本数学会出版賞受賞。

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