成績が悪い人を見下してしまう
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成績が悪い人を見下してしまう

質問

結城先生に質問です。

自分は、学校の中ではテストで常に上位五番には入っています。中学校で初めて順位付けをされてからずっとです。そのためか同じクラスの友人をときどき見下すような考え方をしたり、見下す態度をとってしまったりします。

でも、自分はしょせん学校の中で上位なだけで、Twitterなどを通じて自分よりも頭のいい人をたくさん知っています。そのことを理解しているつもりなのですが、どうしても見下してしまいます。

こんな自分が嫌で変えたいと思っているのですが、なかなか変えることができません。僕はどうしたらいいでしょうか。

結城浩のメールマガジン 2018年4月3日 Vol.314 より

回答

ご質問ありがとうございます。

あなたは素直な方ですね。

成績や収入や知識や地位や持ち物で、他人を見下す人は世の中に多いものです。でも、あなたのように自分を変えたいと謙虚に思う方は少ないでしょう。あなたは他人を見下す自分が嫌と思う。それはすごいことです。

自分が優位に立っているときに相手を見下したくなるというのは、かなり人間の深いところにある心理で、少なからず誰にもあるものではないかと思います。また、簡単に変わることはないでしょう。

でも、だからといって何もできないわけではありません。次のふたつを明確に区別しましょう。

(1)「感情」
自分の心の中に「こいつはオレより成績が悪いからダメ」と見下す感情がパッと浮かぶこと。
(2)「行動」
浮かんだ感情を言葉や態度にすること。

この(1)と(2)を明確に区別するのです。

(1)の「感情」はある程度はしょうがないといえます。相手を見下す感情がパッと浮かんだり、サッと心をよぎったり。でもそれを(2)の「行動」のように外に表すかどうかは別の話です。

(1)の「感情」は、あなたの心の内の問題です。でも(2)の「行動」では、相手との関わりが生まれます。

もしも、成績が悪い人を見下す態度を外に出してしまったなら、それを相手に素直に謝りましょう(恥ずかしいと反省するならば)。「素直に謝る」というのは感情ではなく行動なので、あなたの制御下にあります。

素直に謝るというのは、たとえば、このように言うことです。

 「乱暴な言い方をしてごめんなさい」
 「ひどいことを言ってしまった。悪かった。お詫びします」
 「言葉が過ぎてしまった。すみません」

外に出したものをうやむやにせず、謝る。これは行動なので、あなたが制御可能なのです。

 * * *

あなたは、人を見下さないようにしたいと思う。それは正しいことです。

ところで、そのような正しいことをやろうとすると、えてして大きな障害がやってくるものです。たとえば、自分が配慮したはずの相手から、別件で逆にバカにされたりするなどです。

つまり「せっかくこちらが成績のことで見下さないようにしてるのに、なんだその態度は! 成績も悪いくせに」などと言いたくなるようなことが起こるかもしれません。そういう出来事は意外に起こるものなのです。

人間関係はなかなか悩ましくややこしいものですね。

人間が複数いる中では、そういうややこしいことは避けられません。でも、それを通して、人のことを思いやったり、自分の小ささを知ったりするのです。

子供も大人も、実はみんな同じです。

ここまでえらそうに書いてきましたが、このように書くのは、私自身が難しいと思っているからです。

「感情」と「行動」をわけて考える。そして不適切な行動があったならば、素直に謝る。これはとても大切なことです。そして「自分を変える」という抽象的な話ではなく具体的な話です。

難しいですが、いっしょに少しずつ進んでいきましょうね。

ご質問ありがとうございました!

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