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桜色に衣は深く染めて着む花の散りなむ後の形見に(紀有朋)

#紀有朋 (きのありとも) #古今和歌集 66 #jtanka #短歌

桜色に衣を深く染めて着よう。桜が散ってしまった後に思い出すよすがとして。

「着む」は「着+む」。「着(き)」はカ行上一段活用動詞「着る」の未然形。「む」は推量(未来に関する意志)の助動詞「む」の終止形。「着よう」という意味。

「散りなむ」は「散り+なむ」。「散り」はラ行四段活用動詞「散る」の連用形。「なむ」は、ここでは強い推量を表す連語。「な+む」と品詞分解すると、「な」は完了の助動詞「ぬ」の未然形。「む」は推量の助動詞「む」の連体形。

「形見」は「思い出すためによすがとなるもの」「思い出の品物」の意味。

さくらいろに ころもはふかく そめてきん はなのちりなん のちのかたみに

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