今まで何となく生きてきて、大学生になったけど、自分はこのままで大丈夫なのかな。
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今まで何となく生きてきて、大学生になったけど、自分はこのままで大丈夫なのかな。

質問

自分はこの春から大学生になったのですが、今まですべて「何となく」で生きてきたので、将来のことを何も考えておらず、今の大学も得意な数学だけで受験でき、受けて合格しました。

自分はこのままで大丈夫でしょうか。助言をいただけると嬉しいです。

結城浩のメールマガジン 2019年5月28日 Vol.374 より

回答

ご質問ありがとうございます。

「将来のことを考えてこなかったけれど、このままで大丈夫だろうか」と気になっているのであれば、この機会に将来のことも考えてみましょうよ。

でも、実は大切なポイントは、大丈夫か否かに対する答えではなく、あなたの「問いの立て方」の方にあると思います。「このままで大丈夫なのか」という問いの立て方では、多くのことを見逃してしまいます。なぜなら「大丈夫か否か」の一点だけを見てしまうからです。

「大丈夫か否か」だけを見てしまうと、自然に「こうすれば大丈夫かな」「ああしなきゃ大丈夫じゃないのか」という単純化された発想に陥りがちです。ネットでよく見かける「勝ち組になるには」や「○○しなきゃダメ」のような単純化され不安をあおる言説に巻き込まれやすくなります。

「大丈夫か否か」という一点で問うのではなく、もっと広く問いましょう。

私はどんな存在なのか。私はどんな人生を送りたいのか。この世での時間とは何なのか。どこに住み、どんな人と関わり、自分が生きていく時間をどんな活動に向けるのか。私は何に喜び、何に憤るのか。そのような多様な問いを立てることは豊かな人生を送る上で大事なことと思います。

本を読むことであれ、大学で学ぶことであれ、友人とのつきあいであれ、あなたの中にあるものを育て、豊かにしたりしてくれる経験です。「将来を考える」ということも、多くの要因を踏まえた上であなたが考えていくべきことと思います。

シンプルな問いとシンプルな答えがあるわけではありません。なかなか答えが出ず、答えがあるのかどうかもわからない、正しいかどうかもわからない。それでも問い、考え続けるところに意味があります。

あなたが大学時代を過ごす中で、意味のある問いを立て、それについて時に悩みつつも考えを深め、身体も心も頭も大きく成長することができますように。そんな風に心から願います。

ご質問ありがとうございました。

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#結城浩 #結城さんに聞いてみた #大学生 #将来  


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結城浩

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