数学が苦手な中学生に教えるとき
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数学が苦手な中学生に教えるとき

結城浩

質問

はじめまして、数学ガールをいつも楽しみにしている会社員です。難しいけれど楽しいのでいつも買ってしまいます。

質問なのですが、

(1)結城先生は、教えることを通して、自分自身に変化はありますか。

(2)中学生に数学を教えるとき、心構えがあればお聞きしたいです(あまり数学が得意でない中学生です)。

質問の背景をお話します。実は、知り合いの娘さん(中学二年生)に宿題を教えています。直接会ってはいないので、文章を通じて教えています。教えるってすごく楽しいですね。いろいろ試行錯誤して、こうしたら分かってくれるかなあと考えるのが、とても楽しいです。

自分がこういう気持ちになることが新鮮ですので、前述の質問をさせていただきました。

これからも、難しくて、楽しい数学ガールを期待しています。

結城浩のメールマガジン 2019年10月29日 Vol.396 より

回答

ご質問ありがとうございます。

教えること(結城の場合には本を書くこと)を通して、自分の変化はもちろんたくさんあります。教えることは学ぶことと密接に関係しているからです。教えることは直接的に私自身が学ぶときの意識に大きな影響を与えています。

何をどのように学んだらいいか。これで理解できないとしたらどうすれば理解できるか。自分は本当に理解していると言えるのか。理解しているといえるなら自分は何ができてしかるべきか。教えるという行為は、「漫然とした学び」から「意識的な学び」への移行を促すものです。

中学生に数学を教えるときの心構えというのは『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』に密接に絡んでいるポイントです。リンク先で《Web立ち読み版》を読んでいただければ「教えること」がテーマの一つであることがよくわかると思います。

中学生相手に限った話ではありませんが、教えるときに教師が「生徒に知識を与えて理解させてやろう」と考えるのは効果半減だと思っています。教師は「生徒に知識を与えて理解させてやろう」ではなく「生徒が自分で知識を身につけ理解するための手助けをしよう」と考えた方がいいと思います。

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結城浩
本を書く生活がもうすぐ30年目。著書は『数学ガール』『プログラマの数学』『暗号技術入門』『数学文章作法』など50冊以上。活動内容は https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c をご覧ください。2014年度の日本数学会出版賞を受賞しました。