Twitter,Bluesky,Mastodonを集約/情報処理の分量に注意して心を守る/得意・不得意と好き・嫌い
結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2024年2月13日 Vol.620
はじめに
おはようございます、結城浩です。
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『群論への第一歩』《サイン本無料プレゼント》の話。
結城浩の最新刊『群論への第一歩』の《サイン本》をプレゼントします!
応募〆切は2024年2月13日、つまりこのメルマガが配信されている今日です。
ぜひご応募ください!
必須ではありませんが、この機会に結城あてに応援メッセージを応募に合わせてお送りくださるとたいへんうれしいです。
なお、今回は出版社によるサイン本販売は予定されていません。
半額セールの話。
2024年2月15日まで『数学ガール』他多数が半額セールになっています!
この機会をどうぞご利用ください。
◆「数学ガール」半額セール書籍一覧(2024年2月15日まで)
技術用語から発想を学ぶ『再発見の発想法』や、公立はこだて未来大学での講演集『数学ガールの誕生』も半額になっていますので、よろしければどうぞ。
◆『再発見の発想法』
◆『数学ガールの誕生』
自由にアカウントが作れるようになったBlueskyの話。
Blueskyが招待制を終了して、自由にサインアップできるようになりました。これまでは招待コードを入手した人だけが参加できる状態でしたが、誰でも自由に参加できるようになったのです。アナウンスされてから非常に多くの人がBlueskyに参加し始めているようです。
結城は2023年の春に参加して以来、ずっとBlueskyで遊んできましたし、結城メルマガでも何回か紹介してきました。Blueskyに参加していると、ときどき招待コードがゲットできるので、それをSNSを通じてせっせと配布してきました。調べてみるとこれまでに約100個以上の招待コードを配布してきたようです。
招待制が終了したことで、Blueskyの雰囲気も変化していくのかもしれませんけれど、少なくとも結城のタイムラインはそれほど大きな変化はありません。その理由の一つは「フィード」を活用して自分の読みたい投稿のみを読んでいるからかもしれません。
結城はふだんTwitter(現X)、Bluesky、Mastodon、そしてThreadsを巡回しながら好きなことを書き、好きなものを読んでいます。どのSNSにも一長一短あって「このSNSが文句なくベスト」というものはありません。その意味では知的生産ツールと同じといえそうです。「このツールが文句なくベスト」とはなかなかいえませんから。
結城は「何か一つ、ベストのSNSを探し求める」というよりは、「それぞれのSNSの特性を味わって楽しむ」というパターンが好きみたいですね。もっというなら、SNSを通じて「自分自身を知る」ことに興味があるのかもしれません。
それぞれのSNSに対して「こうなったらいいのに」と思う気持ちはありますけれど、そこにこだわるよりも「ああ、自分はそういう点を大切に思っているんだなあ」と発見するのが好きなのですね。
結城が参加しているSNSはこちらに列挙しています。
◆結城浩のSNSアカウント
ところで、SNSが多くなってくると自分の発言を検索するのも難しくなります。
「あの話題はどこのSNSに投稿したんだっけ?」という状態になるのですね。
最近の結城は、IFTTTを使ってTwitterとBlueskyとMastodonの発言をGoogle SpreadSheetに自動的に集約しています。
2023年末の結城メルマガVol.612で「年末のデータ大掃除」と称してTwitterの投稿をまとめる話を書きましたが、それをさらに拡大したことになります。
◆年末のデータ大掃除 - Evernoteに書きためたメモをどう片付けるか(結城メルマガVol.612)
IFTTTを使ってTwitterとBlueskyとMastodonの発言をGoogle SpreadSheetに自動的に集約する話題は、後ほど詳しくお話しします。
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それでは今週のメルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。
目次
「得意/不得意」と「好き/嫌い」を分けて考える - 結城浩の談話室
自分が行っている情報処理の分量に注意しよう - 心の健康
Twitter, Bluesky, Mastodonの投稿をGoogle SpreadSheetに集約
「得意/不得意」と「好き/嫌い」を分けて考える - 結城浩の談話室
2024年2月10日(土)の「結城浩の談話室」では、数学者のアドバイスを受けつつ個人的に数理的な研究活動を行っている40歳の男性と二人でおしゃべりしました。これまでの成果をどのような形でまとめていくか、本はどのように書いていくかという話題で情報交換しました。
メインのお仕事としてフリーランスのエンジニアをなさっているこの方は、大学受験のころは数学は苦手だったそうですが、35歳ころに数学を深掘りしていきたいという気持ちを持ったとのこと。
書くことを巡って楽しくお話しすることができました。これまでの成果をうまくまとめられるようがんばってください!
◆結城浩の談話室
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さて、ここからは結城の話です。
私の個人的な知り合いでも、またネットを通じて送られてくる読者さんからのお便りを見ても、高校時代までは数学が不得意だったけれど、大学に進んでから数学が得意になった方は少なからずいらっしゃいます。
数学の試験ではぜんぜん点数が取れず、また授業内容もさっぱりピンと来ないので「自分には数学は向かないんだなあ」と高校生のときには思っていたけれど、最終的に数学者や物理学者になった方もいらっしゃいます。そのような実例を見ると、高校時代に「自分は数学が不得意」と判断してしまうのは良くないんだろうなと感じます。
数学の本質的なところで「高校数学」と「大学数学」には違いがない、という考え方はあります。確かにどちらも同じ数学です。でも、その教え方(教えられ方)や厳密さの度合いに違いがあるのもまた確かなことです。だからこそ、上で述べたように「高校時代は不得意だったけれど、大学になってから得意になった」という方がいるのです。
もちろん、逆のパターンもまたあります。高校時代までは数学の授業はすぐに理解できたし、試験でも高得点をたたき出すことができて「自分は数学が得意」だと考えていた人が、大学に入ってから数学についていけなくなったパターンのことです。こちらは、高校の経験だけで「自分は数学が得意」と判断してしまうのは早計だった場合といえます。
思うにそれは「いま見ているものがすべてである」という過度の一般化なのでしょうね。これは典型的な誤謬の一つです。
「自分は数学の授業が理解できない。だから自分は数学というものすべてが不得意である」と考えることは過度の一般化です。そして「自分は数学の授業が理解できる。だから自分は数学というものすべてが得意である」と考えることもまた、過度の一般化です。
考えてみるとそれは、数学に限った話ではないと気付きます。
学校で走るのが遅かったから自分は身体を動かすのが不得意だと思っていたけど、大人になってダンスを学んでからめきめき上達した人。
学校で作文が書けなかったから自分は文章を書くのが不得意だと思っていたけど、大人になって小説を書き始めた人。
何を隠そうこの私も、高校時代まではずっと国語の試験がいちばん低い点数でした。ですから私は「自分は国語が不得意だ」と思い続けてきました。そんな私ですが、現在文章を書くことで生計を立てています。それどころか『数学文章作法』という文章の書き方の本まで出しました。つまり私もまた「国語の試験が不得意」であることを「国語というものすべてが不得意」と過度に一般化していたのです。
以上のことを踏まえて思うのは「得意/不得意」と「好き/嫌い」を分けて考えることの大切さです。
私は国語の試験は不得意でしたけれど、学校の授業を離れて「本を読むこと」や「文章を書くこと」自体は好きでした。つまりそれは「不得意だけど好き」という状況ですね。「好き」という気持ちがあるからこそ、本を読み続け、文章を書き続け、やがてそれが自分の職業になったのです。私は毎日好きな執筆活動ができているので、いまや国語が得意か不得意かなんて気にもしなくなりました。
もし私が、国語の試験で点数が取れないことが原因で本を読まなくなったり、文章を書かなくなったりしたら、いまごろ好きな活動で生活なんてできていないでしょう。私が「得意/不得意」と「好き/嫌い」を分けて考えるのが大切だというのはそういう意味です。自分の一生に関わることなので「いま見ているものがすべてである」という過度の一般化は本当に大きな誤謬といえるでしょう。
ですから私はことあるごとに「いま、自分が見ている自分の姿がすべてではないよ」と伝えようと心がけています。また、大人になってから新たな活動を始めようという人や、新たな学びに向かおうとする人に心からのエールを送りたいと思います。「新しい自分の発見」へとつながる可能性が高いからです。
2024年になり、早くも2月中旬になりました。春に向けてあなたも、自分の「不得意」に縛られることなく「好き」を追ってみませんか。お互いに頑張りましょう!
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関連するかもしれない読み物へリンクします。
◆就活に向けて「自分の得意なもの」を判断したいが、どうしたらいいかわからない(仕事の心がけ)
https://mm.hyuki.net/n/n358bb2c1d4e3
◆生きている意味と自分に与える猶予(日々の日記)
https://mm.hyuki.net/n/ne6cf9b2103eb
◆いま、あなたが考えているあなたの姿がすべてではないよ
https://www.hyuki.com/dig/nos
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「結城浩の談話室」は「ビデオをオフにした状態でZoomを使い、二人で自由におしゃべりするネット企画」です。あなたの決意、あなたの悩み、あなたの思い、あなたの夢をお聞かせください。もちろん、特にテーマのない雑談でも構いませんよ。
2024年3月の申し込みは、今週か来週に開始すると思います。関心がある場合は、以下の無料ニュースレター「談話室通信」にご登録ください。申し込み開始の連絡が届くようになります。
◆談話室通信
自分が行っている情報処理の分量に注意しよう - 心の健康
結城は、自分が行っている情報処理の分量についてよく考えます。
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