「私が学んでいったい何になるというのか」という思い/自分の小説、おもしろさの判断法/知ったかぶりの上司/モチベーション/
結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2022年11月22日 Vol.556
はじめに
こんにちは、結城浩です。
『数学ガールの秘密ノート』第16作目の話。
だいぶ苦戦していましたが、先週の土曜日にようやく第3章をレビューアさんに送ることができました。感謝です。
今週から第4章です。引き続きがんばって毎日こつこつ進んでいきますよ〜!
◆『数学ガールの秘密ノート』第16作
なお「毎日こつこつ」の様子は作業ログで垣間見ることができます。
◆結城浩の作業ログ
MastodonとTwitterの話。
Vol.555でもお伝えしましたが、分散型のSNS「マストドン」(Mastodon)を数年ぶりに再開しました。
◆結城浩のMastodonアカウント紹介
https://gist.github.com/hyuki/f33ca0572a168b8d307ca4c9a072aec0
Twitter同様にのんびりと好きなことを投稿していますので、よろしければフォローしてください。
Twitterではときどき「Twitter終了」がトレンドに上がっています。実際にTwitterがすぐに終わりを迎えるかどうかはわかりませんけれど、Twitter以外のSNSアカウントも多少整備しておくのは悪くないことだと思います。
ああ、それから自分のツイートが大事な人はバックアップもお忘れなく。バックアップについては以下の公式ページで「アーカイブをリクエスト」を見てください。
◆Twitterデータを利用する方法(Twitter公式ページ)
https://help.twitter.com/ja/managing-your-account/accessing-your-twitter-data
ところで、TwitterかMastodonかDiscordかといったプラットホーム自体の話題も大事ですけれど、いまTwitterでやりとりしているネットでの関係性をどのように考えるかも大事ですね。
実際「Twitter終了」を検索してみると「ねえ、Twitterが終了したら、みんなはどこに行くの?」のようにあたりをうかがうツイートが散見されます。
現代では、たとえリアルで会ったことがなくても重要な人間関係はたくさんあります。重要な相手との連絡手段は複数キープしておくのは大事でしょうね。そんなことを思いました。
それでは今回の結城メルマガもどうぞごゆっくりお読みください。
目次
選択肢と作業開始とモチベーションの関係 - 仕事の心がけ
「私がこれを学んだところでいったい何になるのか」という思いがやってくる - 学ぶときの心がけ
知ったかぶりをする上司に対処する方法 - コミュニケーションのヒント
幅広く学ぶことと絞って学ぶこと - 学ぶときの心がけ
自分が書いた小説がおもしろいかどうか、どうやって判断するか - 文章を書く心がけ
選択肢と作業開始とモチベーションの関係 - 仕事の心がけ
心理学的に正しいかどうかはわかりませんが、私の経験としてはかなり正しい法則の話です。
選択肢があるとうまくいかない。たとえば、作業に着手するタイミングで「選択肢」があると、作業開始を失敗しやすい。
選択肢があるとうまくいく。たとえば、作業に着手するタイミングで「選択肢」があると、モチベーションアップしやすい。
この二つは相反するように見えますが、どちらもかなり正しいと思います。順番に説明します。
選択肢があるとうまくいかない
作業着手のタイミングで「選択肢」があると、作業開始を失敗しやすいという話の例を挙げます。
スキマ時間ができたから何か作業するとしましょう。そのときに「いつもの作業A」を行うか「遅れている作業B」を行うか迷うことがあります。つまり「AかBか」という選択肢がある状態です。
いつもやっている作業Aをやろうかな。次のアクションがはっきりしているから、すぐに取りかかれるな。
待てよ。作業Bはいま遅れているぞ。このスキマ時間を使って作業Bを進めた方がいいんじゃないかな。
いやいや、作業Bは確か調べ物が含まれているから、スキマ時間には向かないと思う。それよりは作業Aをしようよ。
しかしなあ……
この迷いが曲者です。迷っているうちに時間は過ぎ、着手するタイミングを失い、結局ごろごろとサボってしまう。そういう結果になることがしばしばあります。
着手のタイミングで「選択肢」があると、作業開始を失敗しやすい。いまはこっち!のように迷わずに済むルールがほしくなります。そうするとうまく着手できそうだからです。
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