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一年目のエンジニア、知らないことが多すぎて不安(仕事の心がけ)

質問

結城先生、こんにちは。

私は一年目のエンジニアです。

学ぶべきこと、知らないことが多くて多くて、不安を感じることがよくあります。

大きな括りでもWeb、サーバ、インフラ、組み込み。そしてそれぞれに代表的な技術や先進的な技術が広がっています。さらにそれらは今日も広がり続けています。

この膨大な技術に感動することもあるのですが、同時に不安を覚えることもあります。

このような不安は誰もが感じるものなのでしょうか。

この不安とはどのように付き合っていけばいいのでしょうか。

よろしければアドバイスお願いいたします。

結城浩のメールマガジン 2019年11月19日 Vol.399 より

回答

あなたが感じる不安は誰しも感じるものです。二十年前に書いた私の文章「プログラマの心の健康」でも同じことを「情報不安」と名付けて書いています。

不安を感じるほど動きが激しい業界というのは、大きなチャンスが広がっているものです。それだけ新しい機会があるということですし、おもしろいことが起こる可能性があるということでもあるからです。

逆に「これさえ覚えていれば十年は安泰」という業界には未来は少ないといえるかもしれません。新しいことが何も起こらない、すでにいろんなことが固まってしまっていて、動かない。そういう業界であることを意味しますから。

ですから、あなたが不安を感じるというのは良いニュースといえなくもありません。もちろん、だからといって不安はなくなりませんけれど……。

私が上の文章で二十年前に書いたのは「これが飯のタネだ」と考えることでした。変化が激しい、覚えるべきことが膨大にある……だとしたら、まさにそれが「飯のタネ」になるのではないかという発想です。

自分の不安だけをみていては答えは見つかりません。自分が苦労しているということは、他にも似たような苦労をしている人がいるということ。全員が全員、現代の技術のすべてに精通しているわけじゃないでしょう。みんな得意なことや不得意なことがある。カバーしきれないことがある。多くの分野ですごく活躍している人もそりゃいるかもしれないけれど、そんな人は限られている。周りをよく見て、自分をよく見て、うまく取捨選択してがんばりましょう。

すべてに卓越することや、網羅的に身に付けることを目指すと、不安に押しつぶされます。何かをとっかかりにし、少しずつ自分の足場を広げていきましょう。

がんばり過ぎないように心と身体の健康に注意しつつ、ね。


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