思ひつつ寝(ぬ)ればや人の見えつらむ夢としりせば覚めざらましを(小野小町)
#小野小町 (おののこまち) #古今和歌集 552 #jtanka #短歌 #恋
あの人のことを思いつつ眠るので、あの人のことを夢に見てしまったのだろうか。あーあ、あれがもし夢だとわかっていたなら目を覚まさかったのになあ。
「寝ればや(ぬればや)」は「寝れ+ば+や」。「寝れ(ぬれ)」は下二段活用の動詞「寝(ぬ)」の已然形(ね・ね・ぬ・ぬる・ぬれ・ねよ)。「ば」は順接確定条件を表す接続助詞。「や」は疑問を表す係助詞(係り結びで「らむ」は連体形)。「寝ればや(ぬればや)」で「眠るからか」の意味。
「見えつらむ」は「見え+つ+らむ」。「見え」はヤ行下二段活用の動詞「見ゆ」の連用形(え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ)。「つ」は完了を表す助動詞。「らむ」は推量を表す助動詞で「寝ればや」の「や」の係り結びで連体形となる。
「せば……まし」は反実仮想を表す。「もしも〜だったら……しただろうに(でも実際はそうしなかった)」。
おもひつつ ぬればやひとの みえつらむ ゆめとしりせば さめざらましを
おもいつつ ぬればやひとの みえつらん ゆめとしりせば さめざらましを
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