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君や来む我や行かむのいさよひにまきの板戸もささず寝にけり

読人知らず 古今和歌集690 #jtanka 

あなたが来るかしら、それとも私が行こうかしら……とぐずぐずしているうちに、十六夜の月が見えてきて、私は寝床の扉も閉めずに寝てしまったのよ。

「君や来む」は「君+や+来+む」。「や」は疑問を表す係助詞で係り結びを作る。「来(こ)」はカ変動詞の未然形。「む」は未来を予想する助動詞「む」の連体形(係り結び)。「君や来む」は「あなたは来るだろうか」の意味。

「いさよひ」は「ためらうこと」の意。後世には「いざよひ」となる。ここでは「いさよひ」と「十六夜の月」を掛けている。そもそも「十六夜の月」は、満月から遅れて出るようすを「ためらって出てくる月」と表現したもの。

「まき」は木の種類。

「板戸」は、寝ながら月が見えているので寝床の扉か。

きみやこむ われやいかむの いさよひに まきのいたども ささずねにけり

※Photo by webtreats.
https://www.flickr.com/photos/webtreatsetc/5459627931/

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結城浩

書籍執筆者。著書に『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など。http://bit.ly/hyuki-mm にて「結城メルマガ」をnote配信中。https://bit.ly/girlnote にてcakes連載中。2014年度日本数学会出版賞受賞。

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