君や来む我や行かむのいさよひにまきの板戸もささず寝にけり
#読人知らず #古今和歌集 #0690 #jtanka #恋
あなたが来るかしら、それとも私が行こうかしら……とぐずぐずしているうちに、十六夜の月が見えてきて、私は寝床の扉も閉めずに寝てしまったのよ。
「君や来む」は「君+や+来+む」。「や」は疑問を表す係助詞で係り結びを作る。「来(こ)」はカ変動詞の未然形。「む」は未来を予想する助動詞「む」の連体形(係り結び)。「君や来む」は「あなたは来るだろうか」の意味。
「いさよひ」は「ためらうこと」の意。後世には「いざよひ」となる。ここでは「いさよひ」と「十六夜の月」を掛けている。そもそも「十六夜の月」は、満月から遅れて出るようすを「ためらって出てくる月」と表現したもの。
「まき」は木の種類。
「板戸」は、寝ながら月が見えているので寝床の扉か。
きみやこむ われやいかむの いさよひに まきのいたども ささずねにけり
きみやこん われやいかんの いさよいに まきのいたども ささずねにけり
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