もう一歩踏み込んで確認しよう(コミュニケーションのヒント)
※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。
こんにちは、結城浩です。
「コミュニケーションのヒント」のコーナーです。
お仕事におけるコミュニケーションでは「もう一歩踏み込んで確認する」のがとても大事ですね。
◆「来週末までにできますよ」と言われたら、
→「来週末ということは○○日ですね」と確認する。
◆「プログラムはだいたいできています」と言われたら、
→「○○日にテストが開始できますか」と確認する。
◆「料金はいつもと同じということで」と言われたら、
→「では○○万円ということですね」と確認する。
◆「明日中に送ってもらえれば間に合いますよ」と言われたら、
→「明日中といっても、夜中の11時でも大丈夫でしょうか」と確認する。
◆「画面部分は私が作っておきますよ」と言われたら、
→「メイン画面だけではなくログイン画面も作っていただけるんですか」と確認する。
例はいくらでも作れますね。あなたも、誰かと打ち合わせをしている場面のことを想像すれば「もう一歩踏み込んで確認する」例を作れるのではないでしょうか。
きちんと確認する。わかっていると思っても確認する。念のために確認する。当たり前のようでも確認する。
「もう一歩踏み込んで確認する」だけで、かなりのトラブルが減らせます。
ここまではよくある話。では、もう少し考えてみましょうか。
「もう一歩踏み込んで確認すればトラブルが減らせる」と分かっているのに、なかなか「もう一歩踏み込んで確認」できないのはなぜでしょうね。
◆「うっかり」忘れてしまうという場合。
これは、ありそうですね。
◆「確認しなくても大丈夫」と自己過信してしまった場合。
これも、ありそう。
◆「確認した方がよいとは思っていたけれど、雰囲気的に確認できなかった」という場合。
おっと、これは要注意ですね。
「雰囲気的に確認できない」というのをもう少し掘り下げましょう。打ち合わせの場で何度も繰り返して確認したら「しつこい奴だ」と思われないかという不安。あるいは「オレの話を聞いていなかったのかと怒られそう」という恐れ。これは以前にも書いた「確認チャネルが品質低下」している状態です。これは、トラブル発生源を抱え込んでいるようなものですね。
確かに、しつこ過ぎるのは、相手に不愉快な印象を与える場合もあります。としたら、「しつこく感じさせずに確認する」という方法を考えると良いかもしれません。
もちろんそれはケース・バイ・ケースになりますから、いちがいに「どうすればよい」とは言えませんけれど、たとえば…
◆打ち合わせ中はいちいち確認せず要点をメモしておく。そして打ち合わせの最後に「じゃあ、まとめとして確認したいのですが」といって箇条書きにした項目を読み上げるのは良い方法です。これは要するに議事録と同じことなのですが、フォーマルではない打ち合わせのときも実践するということです。
◆どうしてもその場で確認しにくければ、次善の策としてメールで確認してもらう方法もあります。
◆自分が直接確認するのがまずいというなら、上司/アシスタント/別のスタッフに自分の代わりに確認してもらう方法も良いでしょう。
いずれにしても、相手との間に「何となく確認しにくい雰囲気」があるならば、それを回避するアイディアを出すのがよいでしょう。もし可能なら、相手に直接「私ってどうも勘違いミスが多いんですけれど、打ち合わせで勘違いしていないか確認する良い方法はご存じありませんか? 打ち合わせの最中に何度も確認してしまうと申し訳ないですし…」などと言って、ご本人からアイディアを出してもらうという荒技も考えられますね。
あなたはどう思いますか。
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