
せっかく書いた「引き継ぎ資料」が誰からも読まれないわけ(コミュニケーションのヒント)
※ほぼ半分を無料公開しているノートです。
こんにちは、結城浩です。
コミュニケーションというのは何もリアルタイムな会話とは限りません。文書を通じてのコミュニケーションもありまして……。
今日は、そんなお話をしましょう。
* * *
Aさんが、仕事の引き継ぎのために資料を作ろうとしました。Aさんは仕事熱心で、しかもきちんと仕事をしようとするタイプでしたので、次のように考えました。
Aさん「引き継ぎ資料はきちんと作らないとね。引き継がれた人が困ってしまうし、それに何度も自分に質問されるのもいやだからな。ええと、会議の議事録と、それから発表に使った資料。それからアンケートの計画と実行結果、それから反省会の資料。そうだそうだ、そもそものクライアントからのコンセプト提案メールもまとめとかなくちゃ。うんうん、あのときの打ち合わせはかなり重要だった。事前のメールのやりとりがポイント稼いだのかも。そうか、メンバーのメールの記録も全部引き継ぎ資料にいれとこう…」
こんなふうにしてAさんが作った引き継ぎ資料は、とんでもない分量に膨らみ、分厚いファイル三冊と、データを格納したメディアもつけることになりました。
Aさんは考えます。
Aさん「うん、この引き継ぎ資料は満足した出来になった。この資料を読みさえすれば、あのプロジェクトで何が起こったかすべてわかるよな。満足、満足。やっぱり仕事っていうのはこんなふうにやらなくちゃね」
ところがです。
※ここまででおおよそ半分です。もし「先を読みたい」と思った方はぜひご購入をお願いします。
せっかく書いた「引き継ぎ資料」が誰からも読まれないわけ(コミュニケーションのヒント)
結城浩
200円

本を書く生活がもうすぐ30年目。著書はもうすぐ60冊。『数学ガール』『プログラマの数学』『暗号技術入門』『数学文章作法』『Java言語で学ぶデザインパターン入門』他。2014年度日本数学会出版賞受賞。https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c