作業ツイートする理由(仕事の心がけ)
※この文章は結城メルマガVol.118からの抜粋です。
結城は毎日の仕事をするとき、作業ツイートをしています。たとえば、こんなふうに。
『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』第2章読み(三十分)。
そろそろ移動しよう。
要するに、自分の「作業内容」と「それに掛けた時間」をまとめてツイートするのです。作業記録の代わりともいえます。
そのような自分のツイートは「自分あてのリプライ」の形にしています。そうすると、自分の作業ツイートをまとめて読むことができるからです。この「連鎖ツイート」について詳しくは以下をご覧ください。
◆Twitterで長めの文章をまとめて「連鎖ツイート」する方法(自分あてにリプライする)
https://snap.textfile.org/20140110000000/
そのように自分の「作業内容」と「それに掛けた時間」をまとめた作業ツイートをしていると、「自分が連続して作業に集中できる時間はどれだけの長さなのか」がよくわかるようになります。午前中は一時間半から二時間で、午後になると三十分から一時間くらいですね。私の集中力の限界はそのあたりにあります。
つい、気持ちの上では「よーし、何時間もばりばり仕事するぞ!」と思っちゃうんですが、実際にはそんなことはほとんどできず、かえって一時間くらいで「そろそろ休もうかな」という気分になることが多いのです。
ちょっと変な言い方ですが、「実績は嘘をつかない」ように思います。
つまり、昨日まで毎日コンスタントにできた作業はきっと今日もできる。きっと明日もできる。そこにはぶれがない。
でも、昨日までまったくできなかったような作業をいきなり今日できる保証はありません(できるかもしれないが、できないかもしれない)。
ですから、「実績は嘘をつかない」といえるのです。初めて取り組む作業は、時間に余裕をもってプランする必要がある、ともいえます。
本を書く作業は短距離走ではなくて長距離走です。こつこつと、少しずつ、コンスタントに続けるのがとても大事。力を入れてぐーんと進むこともたまにあり、それもはずみを付けるうえでは重要なのですが、基本はこつこつ。基本はマラソン。
そのためにも、普段から自分のペースをしっかりつかみ、うまずたゆまず進む心がけが必要になります。普段の自分の(実績をもとにした)ペースをつかんでいれば、自分が「さぼっている」のか「通常モード」なのかを把握できるからです。
ちゃんと時間を掛けて作業を進めていても、そして実際に成果を出していても、主観的に《何だか進んでない》と感じてしまうことがあります。けれど、そんなときでも、自分がどれだけ時間を掛けているか把握しておけば、無駄に焦ることが少なくなります。
自分に対して、「いやいや、焦らなくてもいいんだよ。今日の分の仕事はちゃんと進めたんだから、あとは明日に備えて休みましょう」と言ってあげるのは長距離走では大事なこと。
ふだんから自分のペースをつかんでおく。作業ツイートには、そんな理由があるのです。
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