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頑固な知人を諭したい(コミュニケーションのヒント)

質問

結城先生に質問です。

他人の行いについて、自分が許容できるかどうかの問題でしかないことを、常識や善悪などといったレッテルを盾にし、過度に一般化して0か1かのデジタル思考で批判する人が知人にいます。

彼が他人を批判するときには、その行為の是非についての具体的な点にのみ焦点を当てて感情的に話すため、抽象度を高めた建設的な議論にまで至ることができません。

その人と議論をすることもあるのですが、そのとき彼は決まって「考え方・価値観は人それぞれ」と頑なに自分の考えを顧みようとしません。

議論においてお互いの主張が食い違うとき、お互いの主張が同レベルの水準になくて、一方が浅はかであったとしても「価値観は人それぞれだから」と相対主義的な考え方で片付けてしまう人にうまく諭してあげるにはどうすればいいでしょうか。

結城浩のメールマガジン 2019年9月10日 Vol.389 より

回答

ご質問ありがとうございます。

一般的にいって、自分の理論で相手を諭すのは難しいものです。というのは、その理論自体を受け入れてもらえないからです。自分の理論ではなく、相手の理論を使って相手自身を諭すと聞いてもらえることが多いようです。相手の考え方が変わるかどうかまではわかりませんが、少なくとも耳を傾けてもらえる可能性は高まります。

簡単な例で説明します。

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