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思ふよりいかにせよとか秋風になびく浅茅(あさぢ)の色ことになる(読人しらず)

#読人しらず (よみひとしらず) #古今和歌集 725 #jtanka #短歌 #恋

あなたのことを思うより他にどうしろというのですか。秋風のままになびく浅茅あさぢの色が変わっていくように、あなたは飽きる気持ちのままに心変わりしてしまいます。

いかにせよ」は「どのようにせよ」の意。

浅茅」は丈の低い茅萱ちがや。「浅茅生あさぢふ」ならば雑草の生えているところ。「浅茅が宿あさぢがやど」ならば雑草で荒れ果てた住まい。「浅茅が原あさぢがはら」ならば雑草で荒れ果てた野原。

」は「飽き」に掛けている。

ことになる」は「異に成る」で「別のものに変化する」の意。浅茅の色が変わることと、人の心が変わることを掛けている。浅茅の荒れ果てた風景と合わせてもの悲しさを増している。

おもふより いかにせよとか あきかぜに なびくあさぢの いろことになる
おもうより いかにせよとか あきかぜに なびくあさじの いろことになる

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