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人知れぬ思ひのみこそわびしけれわがなげきをば我のみぞ知る

#紀貫之 (きのつらゆき) #古今和歌集 606 #jtanka #短歌 #恋

人知れず燃えるばかりの私の「思ひ」という「火」は本当につらいものです。私の「思ひ」という「火」に投げ込む「投げ木」のような私の嘆きを知っているのはただ私だけなのですよ。

「思ひ」は「火」に掛けています。

「わびしけれ」はシク活用形容詞「わびし」の已然形。活用は〔しから・しく(しかり)・し・しき(しかる)・しけれ・しかれ〕。「こそ……わびしけれ」は係り結び。

「わびし」は自分の思い通りにならずやるせない気持ち、つらい気持ち、悲しい気持ちなどを表します。

「なげき」は「嘆き」と火に投げ入れる「投げ木」とを掛けています。

「知る」は連体形。「ぞ……知る」は係り結び。この歌には二箇所で係り結びが使われています。なお「のみ」も二箇所で使われています。

ひとしれぬ おもひのみこそ わびしけれ わがなげきをば われのみぞしる
ひとしれぬ おもいのみこそ わびしけれ わがなげきをば われのみぞしる

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