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久方のひかりのどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ(紀友則)

#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 84 #jtanka #短歌 #春

日の光がのどかな春の日だというのに、どうして落ち着いた心もなく桜の花は散るのでしょう。

「久方の」はここでは「光」の枕詞。

「のどけき」はク活用の形容詞「のどけし」の連体形。

「しづ心」は「落ち着いた心」。

「ちるらむ」は「ちる+らむ」。「ちる」はラ行四段活用動詞「ちる」の連体形。「らむ」は推量の助動詞「らむ」の終止形。現在起きていることの理由を推量している。

作者は散っていく桜を見て「落ち着かない様子だ」と擬人的に思っているのでしょうか。それとも散っていく桜を見て「自分の気持ちが落ち着かない」と思っているのでしょうか。

ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづごころなく はなのちるらむ
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しずごころなく はなのちるらん

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