見出し画像

どうすれば、うまいタイミングで質問できるか(Q&A)

※ほぼ半分を無料公開しているノートです(結城メルマガVol.024より)

結城浩です。

みなさんからのご質問にお答えする「Q&A」のコーナーです。

質問は、必ずしも読者さんからの文章そのままではありません。結城が編集したり、複数人の質問を一つにまとめたりする場合があります。ご了承ください。

●質問

結城さん.コミュニケーションについての質問が浮かんできたので送らせていただきます.質問は,

 相手の話を最後まで聞いてから質問をするか,
 わからない所が出たらその時点で質問するか.
 もし使い分けるとしたら,どのように使い分けるか.

です.

以前、人の話をさえぎらないというお話を結城さんがしていて、実践してみたところ,意外と結構な割合でうまくいきました.

 ◆人の話をさえぎらない(コミュニケーションのヒント)
 https://note.mu/hyuki/n/n58600db57e2e

その節はありがとうございます.

ただ,うまくいかないこともありました.最後まで聞いてもよくわからなかったので,はじめの部分から質問していってしまい,結局説明する人が2回説明することになる.

自分はわかっていると思うのだけど,他に説明を受けている人が同じ認識で話を聞いているか不安になる.という点の解消については,一度通して話を聞くより,都度質問した方がうまくいくのではないかと考えています.

基本は「ひとまず全部聞く」という姿勢ではありますが,応用として「そうじゃない方がうまくいく場合」というのがもしあれば知りたいです.

よろしくお願いします.

●回答

ご質問ありがとうございます。

また、結城のノートもご愛読ありがとうございます。「人の話をさえぎらないほうがよい」と頭でわかっても、実際にそれを実践できる人はとても少ないと思っています。そういう意味で、実際にやってみたあなたはすばらしいですね。

さて、話を聞いているときの質問のタイミングですよね。

 ・相手の話を最後まで聞いてから質問するか

それとも、

 ・わからない所が出たらその時点で質問するか

そして、そのふたつを使い分けるとしたら、どのように使い分けるか。

これはとても難しいです。一般的な使い分けのルールのようなものが作れるとは思えません。話す内容、スピード、順序、聞く人の理解度など多数の条件が絡んでくるからです。

でも、少し考えてみると、ヒントらしきものは見つかりました。要するに「後から全部がひっくり返るような事態」を起こさないようにしたいわけですから、

 話を大きく二分するような場面では、さえぎってでも質問する

というのはよいヒントかもしれません。「話を二分する」というよりも「話を聞く態度を二分する」といったほうがしっくりくるでしょうか。

「二分する」というのは、よく使われる比喩でお話ししますと、雨が日本列島に降り注いだとき、

 ・ある雨粒は太平洋に流れる。
 ・ある雨粒は日本海に流れる。

としましょう。どちらの海に流れるかは大きな違いですが、でも雨が降り注ぐ場所によっては、

 この雨粒はこのままなら「日本海」に流れていくのだけれど、
 もしも、もう一センチ右に寄っていたら「太平洋」に流れつく。

という場合があるかもしれませんね。

最初はたった一センチの違いなのに、後になれば大違いです。日本海に流れ込んだ雨粒を太平洋に戻すのはたいへんですけれど、一センチ右に補正するのはたいへんではありません。

人の話もそういうところがあります。人の話を聞いていて、ずううっと進んでから「根本的なこと」を質問すると、二度手間になってしまう危険性はありますね。

そのような視点から、人の言葉をさえぎってでも質問したほうがいい場合をいくつか考えてみましょうか。

※ここまででおおよそ半分です。もし「先を読みたい」と思った方はぜひご購入をお願いします。

ここから先は

1,355字

¥ 200

いただいたサポートは、本やコンピュータを買い、さまざまなWebサービスに触れ、結城が知見を深める費用として感謝しつつ使わせていただきます! アマゾンに書評を書いてくださるのも大きなサポートになりますので、よろしくお願いします。 https://amzn.to/2GRquOl