中学三年生、小さいミスが多くて点がとれない(学ぶときの心がけ)
質問
新中三です。
数学ガールを楽しく読ませてもらっています。
数学はとても好きで、授業中の問題とかは結構解けるのですが、テストとなると点を取ることができず、結果が残せません。問題が分からないというわけではなく、小さいミスを沢山した結果、全然得点が取れないという感じです。図形の単元ではそんなことはないのですが、関数や方程式などの単元は本当に点数が取れません。
どうしたらしっかりと結果が残せるようになりますか?
回答
ご質問ありがとうございます。こうすればいい、と断言することはできませんけれど、お聞きした範囲では「計算の練習不足」のような印象を受けました。
まずあなたは、ご自身の状況をよく観察なさっているようです。これはすばらしいことです。
授業の問題とテストでの様子を比べられる。
得点が取れないのは問題がわからないわけではない。
図形の単元と、関数や方程式とを区別して考えられる。
以上のようなポイントを、自分でよく観察していると思います。
ぜひ、あなたが書いた「小さいミス」の部分を注意深く観察してみてください。そしてその「ミス」を「自分は理解しているかどうか」という観点で見るのではなく「自分はそれをやすやすと、驚くほど高い正確さとスピードでできるかどうか」という観点で見てください。
テストでミスをするということは「やすやすと、驚くほど高い正確さとスピード」ではできないわけですよね。そこを改善するために、あなたの観察力を生かしましょう。
これは「たとえ話」ですが、あなたは「$${2\times 3}$$」を「やすやすと、驚くほど高い正確さとスピードで」で行うことができますよね。いくら眠くても、くたびれていても、気が散っていても「$${2\times3}$$を計算して」と言われたら「$${6}$$」と答えられるでしょう。
$${2\times 3}$$は暗記しているでしょうから、その点ではあまり適切なたとえ話ではありませんが、やすやすとできるという意味で書きました。
式の展開や、因数分解や、平方完成や、同類項を集める式の操作を「やすやすと、驚くほどの高い正確さとスピード」でできるか。
その他にも、たとえば2桁〜3桁の整数を素因数分解したり、2桁くらいの整数を和に分解したり、そういった数に対する基本操作も合わせてチェックしてみてください。
正負の掛け算での符号もそうですね。複雑なカッコを外すときに符号を間違えないかどうか。
自分の「小さなミス」をチェックして、自分が弱そうな基本操作をピックアップして、精度とスピードを上げる練習をしましょう。具体的な問題は中学一年からいままでの教科書や参考書や問題集を使えばいいと思います。
そういう練習はある時期集中して行い、その後も継続した方がいいかもしれません。継続して行える「計算練習ルーティーン」を自分で考えても楽しそうですね。
それからまた「暗算」の練習もしてみましょう。適当な式の因数分解や展開や平方完成や……を暗算でやってみる。これは、最初は難しいかもしれませんが、少し練習すると若い頭なら、かなりできるようになります。
計算練習は泥臭い部分も多いですけれど、高度な数学を学んでいく上での底力になってくれる部分もあります。ぜひやってみてください。
そんなところです。
春ですね。進級おめでとうございます。たっぷり学んですてきな中学時代をお過ごしくださいね。
ご質問ありがとうございました。
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