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受験勉強で好奇心がなくなった(学ぶときの心がけ)

質問

結城さん、好奇心を取り戻す方法を教えてください。

私は一年浪人して、自分のやりたいさまざまなことを、約二年間我慢し続けて勉強してきました。

そしていま、とりあえず大学に行けることが決まり、受験勉強から解放されて自由な時間が増えました。

でも、自分が受験前と変化していることに気付きました。それは、何にも興味がなくなってしまったということです。

受験前は少しでも不思議に思うことがあったら、熱中して調べたり考えたりしていたのですが、いまはまったくそんな気力がありません。

そんな状態を打破しようと、以前興味があった分野の本を読み始めてみたのですが、無味のガムをひたすら噛んでいるような感覚で、内容が頭にまったく入ってきません。

二年間の受験勉強が自分の好奇心を殺してしまったんじゃないかと感じて、すごく怖いです。

結城さん、好奇心を湧かせる術を知っていたら、どうか教えてください。

結城浩のメールマガジン 2018年3月13日 Vol.311 より

回答

まずは、受験お疲れさまでした!

受験を終えて気付いたら、自分の好奇心が失われたようだということですね。お気持ち、お察しいたします。

受験期間では、いろんなことを耐えてきたでしょうから、なかなか急に元に戻るのは難しいかもしれませんね。

たとえていうならあなたは、受験に向けて同じ姿勢をずっと取ってきたわけです。ですから、いきなりダンスを踊るのは無理ですし、マラソンするのも無理でしょう。

受験前と同じ状態まで一気に戻るのは難しいでしょうから、あなたにまず必要なのは、心と身体をほぐすことではないでしょうか。それには、ある程度の時間が必要です。

あなたは「受験勉強が自分の好奇心を殺してしまった」と心配なさっていますが、大丈夫。そんなことは絶対にありません。あなたは若いのですから、きちんと心と身体をほぐし、時間をかけて自分とあたりを見回し、自分が面白いと感じることを、少しずつ思い出し、取り戻し、感じ取っていくことは必ずできます。

そんなにあわてないで。急がないで。

まずは、あなたが自分自身をほめてあげましょう。

よくやったね。

長い間本当にがんばったね。

とにもかくにも、よく乗り越えてきたね。

つらかった時間もめげずに越えてきたね。

浪人時代を越えてきたんだね。えらかったぞ!

なかなか、たいしたもんだ!

と自分をたっぷりとねぎらいましょう。

これまでの浪人時代には、多くのことをがんばって乗り越えてきたわけですから、自分の好奇心もがんばって取り戻したくなりますが、あわてず自分に時間を与えてください。

好奇心はいなくなったわけではなく、臆病な小動物のように、木陰に隠れているのかもしれません。受験時代の我慢やプレッシャーやストレスのために、好奇心は木陰からなかなか出てこられないのでしょう。

ですからまず、ゆっくりと自分をねぎらい、ほめましょう。たっぷりとほめましょう。そのようにして、自分を「本来の自分」に戻していきましょう。そうしているうちに、好奇心もあなたのところに戻ってきます。

お疲れさまでした!

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