
肯定と否定(コミュニケーションのヒント)
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※結城メルマガVol.120(2014年7月15日)より
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コンビニでのやりとり
コンビニで支払いをするとき、ポイントカードの有無を尋ねられることがあります。先日、こんな体験をしました。
あるコンビニでは、
(1)「ポイントカードはお持ちですか?」
と聞かれたのですが、別のコンビニでは、
(2)「ポイントカードはよろしいですか?」
と聞かれたのです。この違いがおもしろいな、と思いました。
結城はポイントカードを持っていなかったのですが(1)と(2)で答え方が変わります。
(1)「ポイントカードはお持ちですか?」
→「いいえ」(持ってません)
(2)「ポイントカードはよろしいですか?」
→「はい」(大丈夫です)
(1)で聞かれたときには「いいえ」で答えることになり、(2)で聞かれたときには「はい」で答えることになります。ポイントカードを持っていない私の立場からすると、(1)よりも(2)の方が気分がよいと感じます。
あの「ポイントカードは…」という質問は日頃からうるさく感じているので、せめて気分がいい(2)のような聞き方の方がいいなと思いました。
まあ、もしかしたら「気分がよくなる」ことよりも、ポイントカードを持つことをお店は求めているのかもしれませんが。
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本を書いて生活しています。著書は『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など多数。詳しい活動内容は https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c をご覧ください。2014年度の日本数学会出版賞を受賞しました。