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感情的にならず議論したい(コミュニケーションのヒント)

質問

仕事などで他の人と議論をしているときに、どうしても感情が入ってしまうことがあります。

自分の意見を否定されること」と「自分自身を否定されること」は別だということは分かっていますし、冷静に話そうとしているのですが、理性と感情をうまく切り分けられません。

余計な感情が入ると議論する相手を困らせてしまうかもしれないとも思っています。感情的にならずに議論を行うためには、どのようなことを心がけたらよいでしょうか。

結城浩のメールマガジン 2020年12月15日 Vol.455 より

回答

ご質問ありがとうございます。

感情は、基本的に自分の意志であまり制御できないものです。思わずカッとなる。思わず凹む。「思わず」ですから制御はできません。感情は制御できず、わずかなりとも制御できるのは行動ですね。

ですから、感情的な議論にしたくないときには、物理的な(フィジカルな)工夫をするのがオススメです。特に時間を置くのはいい方法でしょう。たとえば、反論する前に……

  • 一から十まで数える。

  • 三回深呼吸する。

  • 意識的にゆっくり話す。

  • 「ちょっと考えさせてください」のように言う。

などです。機械的な行動をあいだに挟み、時間を置くことによって自分の行動を制御するのです。

 * * *

あるいはまた、「自分が感情的になりかけていることを言葉にする」という方法もあります。

たとえば……

「私はいま熱くなって、何とか無理な反論を試みようとしているみたいです。少し落ち着くまで時間を置かせてください」

のように明示的に言葉にするということです。ただしこれは、議論している相手との信頼関係がない場合には取りにくい方法ですね。

もしも相手からの否定的な言葉にカチンときた場合には、感情的な反応をする前に、その感情を引き出した相手の言葉に焦点を当てる方法もあります。「あなたのいまの言葉で、私はややイライラしています」のように。ただし、状況によっては感情を抑えているというよりも、慇懃無礼な人になってしまうかもしれませんが……

言い方はさておき、方法としては「あなたの内部で感情を制御する」のではなく、

  • 行動を制御する

  • 感情自体を言葉に変えて取り扱う

などの方法が有効かもしれないということです。

以上、何かのヒントになれば幸いです。

関連した読み物をご紹介します。

こちらは「相手が感情的な場合」について。

◆議論における不機嫌な感情の取り扱い

感情に大きく揺さぶられてしまうのを自分の弱点と感じている方への回答はこちらです。

◆自分の感情と付き合う


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#結城浩 #コミュニケーションのヒント #コミュニケーション #感情的にならず議論したい

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