『数学ガール』執筆当時に長男がくれたコメント(思い出の日記)
※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。
『数学ガール・ミルカさんとテトラちゃん』〔執筆当時の仮題〕の原稿を再修正して送付しなおした。先月末のものは私の最終チェックが甘かったため。
今週は仕事の仕込みが複数個並行で発生して、たいへん忙しかった。こういうの、ちょっと珍しいなあ。でも、どの仕事で会った人にも結城は『数学ガール・ミルカさんとテトラちゃん』を宣伝している。
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校正していると、長男が寄ってきて原稿を読み始めた。
長男「ねえ、お父さん。ここでテトラちゃんが『子供のころのアサガオ観察』って言ってるけれど、『小学生のころのアサガオ観察』のほうがいいんじゃないかな」
私「どうして?」
長男「だって、《高校生》と《子供》って、何だかバランスが悪い」
私「もう少し詳しく言うと?」
長男「ミルカさんやテトラちゃんは高校生だよね。高校生だって、ある意味子供じゃない? だから、子供が子供っていうのは変だ。高校生が『小学生のころ』って言うならわかるけれど」
私「なるほど。うん、そうしても悪くはない。でも、ここではどうかなあ。高校生だってある意味子供なんだけれど、ここでしゃべっている彼女たちは自分のことを子供だとは思ってないのかもしれない」
長男「へえ…。でも、アサガオ観察っていったら小学校時代だよね」
私「うん。でもそれがわかるんだったら、ことさら「小学生のころの」って書かなくても良いことになる」
長男「ほほう」
私「しかし、きみの指摘はなかなか素晴らしいと思う。実はお父さんも書いているときにそのことを考えた。『小学生のころの…』にするかどうかちょっと迷った。でも、私の中で、テトラちゃんはこのように話していたから、その通り書くことにした。まあ、話の本筋にはあまり関係しないんだけれどね」
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普段私は黙読ばかりしているから、長男が声に出して「ミルカさん」や「テトラちゃん」という名前を呼ぶのを聞くと、不思議な気分になる。
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※2007年04月06日の「結城浩の日記」から。長男は当時12歳。
http://www.hyuki.com/d/
※Photo by webtreats.
https://www.flickr.com/photos/webtreatsetc/4185326903/
※以降に文章はありません。「投げ銭」感謝。
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