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高校生、数学オリンピックに歯が立たなかった。数学のセンスを伸ばすにはどうすればよかったのか(学ぶときの心がけ)

質問

高校三年です。

私は昔から数学が大好きで、高校に入るまではただただ数学が好きで楽しんでいました。数学の成績も負けたことがなく、それに誇りを持っていました。

しかし、高校に入って数学オリンピックに参加したところ、全く歯が立たずにプライドもズタズタにされ惨敗しました。悔しくて、一年間頑張りましたが、次の年の数学オリンピックも予選で敗退してしまいました。

そして、最後のリベンジと思って受けた今日の数学コンテストでも思うようにいかず、悔しい結果に終わりました。

この高校生活を振り返って、私に数学の才能が無いということを痛感させられました。もっとセンスを伸ばすには一体どうすれば良かったのでしょうか。本当に悔しいです。教えて下さい。

結城浩のメールマガジン 2018年8月7日 Vol.332 より

回答

ご質問ありがとうございます。

「もっとセンスを伸ばすには一体どうすれば良かったのか」というあなたの質問に私は答えられませんし、そもそもこの質問が、適切な質問かどうかも私にはわかりません。私にはわからないことばかりですが、思うところを書きます。

数学オリンピックは競技なので、勝つ人もいれば負ける人もいます。そして「数学オリンピックで負けた人はすべて数学の才能がない」という命題は偽です。

数学オリンピックで敗退したということは、そのときに出された問題をあなたよりもうまく解いた人が存在するということです。それは事実ですけれど、そこからの推論を誤ってはいけません。たとえば「自分に数学の才能がない」と結論付けるのは典型的な誤った推論であると思います。

数学は、そして学問はあなたが想像するよりもはるかにはるかに広大で豊かなものです。問題を解くことが数学のすべてではありませんし、そもそも数学オリンピックに出される問題が数学における問題のすべてでもありません。しかもあなたは若い。自分の前にある有益な時間を、誤った推論で濁らせないように注意しましょう。

あなたが敗退したということは事実で、それは動きません。もちろん敗退すれば悔しいでしょう。その悔しさの大きさは、あなたの熱意を示しています。自分の悔しさをしっかりと受け止めつつ、あなたは、いまあなたのなすべきことを考えましょう。

あなたが敗退したという過去の事実は動きません。しかし、現在のあなたはこれから大きな活動をしていく存在です。悔しさをしっかり受け止めて、大きく羽ばたいてください。そして未来のあなたが現在を振り返るとき、今回の敗退の意味が変わって感じられるようになるかもしれません。あなたの未来を作るのはあなたです。

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#結城浩 #学ぶときの心がけ #数学オリンピック #数学のセンス


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本を書いて生活しています。著書は『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など多数。詳しい活動内容は https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c をご覧ください。2014年度の日本数学会出版賞を受賞しました。