見出し画像

生徒にとって状況説明は難しい(教えるときの心がけ)

※この文章は結城メルマガVol.269からの抜粋です。

結城メルマガは「コミュニケーションの心がけ」というタイトルを冠しています。毎回、とても広い意味での「コミュニケーション」を題材にして、あれこれと文章を書いています。

私自身がコミュニケーションの達人と偉ぶりたいわけではありません。成功も失敗も含めて「コミュニケーション」というものに関心があるので、メールマガジンにもこのようなタイトルを付けたのです。

実際、コミュニケーションは難しいです。そして、難しいのは、

 「コミュニケーションは人間関係そのものだから」

だと思っています。人間関係が難しいので、コミュニケーションも難しいのです。

 * * *

今回の「教えるときの心がけ」のコーナーでは、

 状況説明は難しい

というお話をしましょう。

「教える」という活動では、教える人と教えられる人(学ぶ人)がいます。お話を進める都合上、ここでは「教師」と「生徒」と呼びましょう。「教師」と「生徒」といっても実際には「先輩」と「後輩」かもしれませんし、「上司」と「部下」かもしれません。
要するに、

 ・教師 …… 教える人
 ・生徒 …… 教えられる人(学ぶ人)

という関係だと思ってください。この文章では主に「教師」の側に立つ人へ向けてお話をします。

●状況説明は難しい

さて、教師の立場にある人が、生徒の立場にある人に対して

 「状況を説明してもらう」

という場面はよくあることです。

たとえば、教師が生徒に対して、

 「わからないところはどこ?」

と問いかける場面です。教師は、そのような問いかけを通して生徒の状況を把握し、話すべき内容を調整しようとするわけです。

生徒に要求していることは単純です。生徒自身のことを話してくださいといってるだけですから。けれど、生徒にとってそれに答えるのは想像以上に難しいことです。

生徒が自分の状況を説明するのがどうして難しいのか、理由はたくさん考えられますが、ここでは三点にしぼって挙げてみましょう。

 ・本人が混乱しているため
 ・非難されていると感じるため
 ・説明する言葉を持たないため

順番にお話しします。

----

この続きをみるには

この続き:2,194文字

生徒にとって状況説明は難しい(教えるときの心がけ)

結城浩

200円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

いただいたサポートは、本やコンピュータを買い、さまざまなWebサービスに触れ、結城が知見を深める費用として感謝しつつ使わせていただきます! アマゾンに書評を書いてくださるのも大きなサポートになりますので、よろしくお願いします。 https://amzn.to/2GRquOl

結城浩です。《スキ》をしてくださるのは、大きなはげみです。感謝!
9

結城浩

書籍執筆者。著書に『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など。http://bit.ly/hyuki-mm にて「結城メルマガ」をnote配信中。https://bit.ly/girlnote にてcakes連載中。2014年度日本数学会出版賞受賞。

教えるときの心がけ

先生が生徒に、上司が部下に、先輩が後輩に、親が子供に「教えるときにはこうしてみては?」という話題をお届けします。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。