数学の応用問題に、どうアプローチすればいいのか(学ぶときの心がけ)
質問
数学の応用問題へのアプローチの仕方がなかなか身につきません。問題の解説を読めば書いてあることは理解できますし、自分でも解けるようにはなります。
ところが、初見の問題は解けないし、以前解けた問題も時間が経ってしまうと解けなくなってしまいます。
自分としては、ひたすら問題を解いてさまざまなパターンに出会って慣れていくしか方法がないと思っています。
数学の応用問題には、どうアプローチすればいいのでしょうか。
結城浩のメールマガジン 2018年4月17日 Vol.316 より
回答
ご質問ありがとうございます。
応用問題とは何か
数学の応用問題というのは、基本的な内容を「応用」するという問題ですよね。その分野の基本的な技術や知識が身についていることを前提として、それを別のコンテキスト、別の文脈でもきちんと使うことができるか。それを問うている問題ということになります。
多くの場合、応用問題というのは、何か基本的なXという方法があって、
・表面上は「方法X」で解けるとはわからない。
・でも、「方法X」が持つ意味をほんとうに理解していれば解ける。
という形をしています。「方法X」の使い方をダイレクトに練習するのが基本問題で、表面上はわからないけど「方法X」が使えると見抜くことを求められるのが応用問題ともいえます。
応用問題が初見で解けないときにどうするか
あなたは「応用問題が初見で解けない」といいました。そのときにあなたが思うべきことは「このパターンの問題は初見だから解けなかったんだな」ではなく「自分は基本的な方法の何を見逃していたために解けなかったのだろう」です。この二つの違いがわかるでしょうか。
応用問題が解けなかったとき、その問題のパターンを覚えようとしてはダメです。少なくとも、同じ抽象度で覚えてはダメです。覚えるにしても、もう少し高く抽象化したパターンを身につけるべきなのです。
あなたは「解説を読めば書いてあることは理解できるし、解けるようになる」といいますが、それは当たり前のことです。それができなかったら解説ではありませんからね。大事なのはそこじゃありません。
では、大事なのは何か。
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