新企画「結城浩のサブスタック」/「勉強」は好きだけど「テスト勉強」は嫌い/理解しているのにうまく説明できない/
結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年9月29日 Vol.444
目次
・新企画「結城浩のサブスタック」について
・「勉強」は好きだけど「テスト勉強」は嫌い - 学ぶときの心がけ
・理解しているのにうまく説明できない - 教えるときの心がけ
はじめに
結城浩です。
いつもご愛読ありがとうございます。
先週アナウンスした読者アンケートへのご回答、ありがとうございました。
応援メッセージもお送りくださって感謝です。読んでいて感激のあまり泣きそうになりました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
さっそく、今回の結城メルマガを始めます。
どうぞごゆっくりお読みくださいね。
新企画「結城浩のサブスタック」について
Vol.443でもアナウンスしましたが「結城浩のサブスタック」という新しい企画を始めました。「私がふだん考えていることを、あなたにメールで送ります」というシンプルなコンセプトの企画です。
一単語でいうなら「メールマガジン」あるいは「ニュースレター」になりますけれど、私が考えているニュアンスは少し異なります。なので、その話を書いてみたいと思います。
◆結城浩のサブスタック
サブスタックについて
まず「結城浩のサブスタック」という名前について。「サブスタック」という単語には特に意味はありません。単に「Substack」というニュースレター配信サービスを使っているのでこの名前を付けただけです。たとえていうなら、noteを使っていたら「結城浩のnote」と名付けたり、はてなブログを使っていたら「結城浩のはてなブログ」と名付けたりするようなものですね。
Substackというニュースレター配信サービスは、登録したユーザにニュースレター(メール)を送ったり、みんなで議論ができるコミュニティを作ったり、あるいは有料の定期購読を始めたりできるサービスです。
◆Substack
配信者は無料で配信を行うことができます。特に制限もありません。Substackの運営さんは、配信者が有料配信をしたときにのみその一部を受け取ることになります。広告が表示されることはありません。
と書いてくると「ああ、noteみたいなものね」と思うかもしれませんね。確かに似ているところは多々あります。たとえば以下の点はほとんど同じです。
・読者にコンテンツを配信できる。
・コンテンツの有料/無料を選べる。
・定期購読用のコンテンツ配信もできる。
・有料/無料どちらでも広告は出ない。
ただ、違う点もあります。一番大きいのはプラットホームへの動線がほとんどなく、配信者(書き手)と購読者(読み手)の結びつきが強いという点でしょう。
noteの場合「noteというプラットホームにみんなが集まってきて、そこにあるコンテンツを見る。タイムラインがあって、そこにはnoteの他の人の投稿も流れてくる」という状態になっています。でもSubstackにはタイムラインはありません。ですから、知らない誰かの投稿が流れてくることもありません。
つまり、購読者は自分の読みたいものだけをメールやWebで読むという形になります。これは非常に大きな違いです。タイムラインがないのですから、配信者はがんばって他者よりも目立とうとする必要がありません。淡々と自分の読者向けにコンテンツを送るだけです。
結城は、theLetterの運営をなさっている濱本さん経由でSubstackの存在を知りました。theLetterは最近始まった日本のニュースレター配信サービスです。
◆theLetter | 個人ブランド向けニュースレター配信サービス
https://theletter.jp
特に、こちらの濱本さんの記事はたいへんおもしろく読みました。
◆なぜ今、ニュースレターなのか? 〜注目経済脱却の夜明け〜
https://itaru.substack.com/p/-
コンセプトを考える
Substackを知ったとき、結城も何かやってみたいと思いました。おもしろそうなことが起きそうだと思ったからです。Substackというものがある。では私はそこで何をしようか。どんなことを考えたらいいだろうか……
試行錯誤の末に思いついたのが「私がふだん考えていることを、あなたにメールで送ります」というコンセプトでした。平凡で当たり前のように感じるかもしれませんが、これでもけっこう考え抜いたコンセプトなのです。
「私がふだん考えていること」
「私がふだん考えていること」では内容を語っています。
「結城浩のサブスタック」で送る内容は、ふだん私がツイートしたり結城メルマガに書いたりしている話題が多くなるでしょう。
・文章を書いたり、本を書いたりすること。
・考えたり、教えたり、学んだりすること。
・他の人と対話したり、本を読んだりすること。
その他の身辺雑記も送りたいなと思っています。
「あなたにメールで送ります」
「あなたにメールで送ります」では形式を語っています。
「結城浩のサブスタック」は、「みなさん」あてではなく「あなた」に個人的な文章を送る気持ちで書いていこうと思っています。
「あなたに送る」という気持ちは、結城メルマガでも同様です。でも、結城メルマガはオムニバス形式になっていることもあり、メールというよりは読み物に近い形式だと思います。構成を整えて読みやすくし、何らかのメッセージを伝えるものです。
「結城浩のサブスタック」ではその「あなたにメールで送る」という部分をより強く出してみたいなと考えています。
具体的には、読み物としてきっちりと時間を掛けて整え、推敲して送るというよりは、その場で書いてその勢いで送るような書き方にしてみたいですね。
メールとWebの関係
Substackの配信はメールとWebでできます。メールを送ると自動的にWebでもブログ記事のように公開されますし、もちろんWebは編集もできます。
「結城浩のサブスタック」でもこれまで送ったメールはすべてWebで読むことができます。「アーカイブ」のページがありますから「ふーん、こんなメールが送られてくるんだね」と誰でも確かめることができます。それは登録するかどうかの判断に使えるでしょう。
◆「結城浩のサブスタック」アーカイブ
でも、私が考えているのは「基本はメール」です。Webサイトでバックナンバーを見ることはできますが、送ったメールすべてを残すとは限りませんし、ずっと残すとも限りません。
たとえば何回かに一回は「メールのみ」で送ってもおもしろいなと思っています。そのメールは「その時点で登録していた人だけに届く文章」という扱いになるわけです。
大げさなことをいえば、それは「ライブ」です。音楽のライブはそのときにそこにいた人だけが経験できるものですよね。それとちょっぴり似ています。いまは何でもWebで後から読める時代ですけれど、そうじゃないものがあるのもおもしろそうです。
スケジュールについて
「結城メルマガ」は毎週火曜日07:00配信になっています。感謝なことにこれまで八年以上も定期的な配信を継続してきました(深く感謝)。
ところで「結城浩のサブスタック」の方は、何曜日に送る、月に何回送る、といったスケジュールを決めるつもりはありません。現在は企画を開始したばかりなので、ほとんど毎日のように送っていますが、そのうちに頻度は下がるでしょう。
「結城浩のサブスタック」を送るのは強いていえば「不定期」といえます。でも、不定期というよりは「あなたに話したいことができたとき」と呼んだ方がよさそうです。だって、メールってそういうものですから。
有料/無料について
先ほども書きましたが、Substackでの配信は無料にもできますし、有料にもできます。配信コンテンツの一部を有料にすることも可能です。たとえば、ふだんは無料でメールを配信し、月に一回は有料メールを送るみたいなことも可能です。すべては配信する人の考え次第です。
「結城浩のサブスタック」ではどう考えているかというと、基本的には無料でメールを送ろうと思っています。でもそのうちに、何かおもしろいアイディアが浮かんだなら、有料での配信も始めるかもしれません。でもきっと「無料でメールを送る」部分はやめないでしょう。
メールという古くて新しいメディア
「結城浩のサブスタック」は「私がふだん考えていることを、あなたにメールで送ります」というコンセプトです。ですから、せっかくなので「あなた」からのお返事をいただけるように、毎回お願いや問いかけをしています。といっても感想を強要するわけではありません。私からの問いかけはこんな感じになります
今日の私は、こんなことを考えています。
今日のあなたは、どんなことを考えていますか。
これは、結城の感覚にかなりしっくりくる問いかけです。
TwitterなどのSNSは、みんなでリアルタイムにおしゃべりしている感覚があります。それはとても楽しいですね。当意即妙のやりとりや、わいわいと盛り上がる楽しさです。でも、メールには、それとはまた違う楽しみがありそうだなと思っています。
そんなに重たい話でもないし、そんなに軽い話でもない。ちょっとだけ深く考えたこと、心に残ったこと、そして「今日の私」が考えていることをメールで送る。それに直接関係があってもいいし、ぜんぜん違うことでもいいけれど「今日のあなた」が考えていることを返信してもらう。それはなかなか素敵な楽しみだなと思うのです。
それはきっと「自分が考えたことを、それが役立つ・役立たないとは無関係に、伝える相手が存在する」ことの喜びかもしれません。相手がいるからこそ、伝えたいと思う。伝える相手がいるから、新しいこともいろいろと考える。その過程、そのプロセスはとても楽しく、そしてときには深いところにたどり着く予感があります。
私が「結城浩のサブスタック」で送る方のメールはアーカイブされますからWebでも読めます。でも「あなた」からの返信はもちろん公開されません。「あなた」からの返信は、私が感謝しつつ読むことになります。
メーリングリストみたいに、そこに複数人の場があるわけではない。チャットみたいに誰かが常時しゃべっているわけでもない。ただ、気が向いたときに、誰からの強制もなく、メールのいち往復がある。それは、古くて新しい楽しみではないかと思います。
よければ「あなた」もご登録ください
以上「私がふだん考えていることを、あなたにメールで送ります」というコンセプトの新企画「結城浩のサブスタック」についてご紹介しました。
もしご興味がありましたら「あなた」もぜひご登録ください。登録は無料です。言うまでもないことですが「返信しなくちゃいけない」みたいな義務は何もありませんし、強制されることは何もありません。もちろん登録解除も自由です。ぜひ、どんな感じか試してみてください。
◆結城浩のサブスタック
「勉強」は好きだけど「テスト勉強」は嫌い - 学ぶときの心がけ
質問
『数学ガール』や、技術書や、哲学系の本を読んだり、授業を理解したりの勉強はすごく好きです。でも「テスト勉強」は苦手で、嫌いで、いつもテストでなかなか点数も取れません。
このあたりをうまく繋げて勉強できれば、テスト勉強も楽しいと思うのですが、何かコツはありますか。
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