38歳の小飼弾さんが書いていた文章を読んで、44歳の結城も「書く理由」を書きたくなりました(思い出の日記)
※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。
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結城は、プログラムや文章を書いています。
複雑な現象がある。ややこしい構造がある。なんとかそれを解きほぐしたい。うん、きっと、こうすればいいと考える。自分の考えを検証する良い方法はプログラムを書くことです。自分の考えをプログラムとしてきちんと記述する。それをコンピュータが読んで実行する。難しい問題が解ける。素晴らしい。
でも、プログラムがすべての問題を解決するわけではない。プログラムではなく文章が問題を解決することもある。問題の本質を解きほぐして表現する。適切と思われる解決法の道しるべを示す。自分の考えを文章としてきちんと記述する。それを読者が読んで、自分の問題に適用する。難しい問題が解ける。素晴らしい。
私が書くものはプログラムや文章とは限らない。図かもしれない。表かもしれない。あるいはまた数式かもしれない。
説明文ではなく「饒舌才媛と元気少女と鈍感少年の物語」かもしれない。
いずれにせよ、自分が考えたこと、自分が感じたこと、それをプログラムや文章に託す。それはとても大変で、でもとても意味のあることだと思っている。
私の書いたプログラムを読んだコンピュータが動作して、問題を解決する。あるいはまた、私の書いた文章を読んだ読者が励まされて元気になり、技術的な内容を理解して、結城がとうてい解けない問題を解決する。そんなことを夢想すると、思わずにっこりしたくなる。
結城の書いた本を読み終えた読者さんの中には、なんだか勉強したくなったという方や、新たな気持ちで現在の仕事に取り組む元気が出たという方がときどきいらっしゃる。そういうフィードバックをもらえるのは、著者として何と幸福なことだろう。
けれど。
けれど、たとえ、直接フィードバックをもらえなくても。
時空間を遠く隔てた誰かに、素敵なビット列を届けられるだけでも感謝なことかもしれない。
私自身も、時空間を遠く隔てた誰かから、素敵なビット列を届けてもらったのですから。
だから、私は、今日も書きましょう。
年齢とは関係なく、ね。
あなたに、このビット列は届いたかな?
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※2007年11月21日の「結城浩の日記」から。
http://www.hyuki.com/d/
※「38歳の小飼弾さんが書いていた文章」
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50954418.html
※「饒舌才媛と元気少女と鈍感少年の物語」
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