君といへば見まれ見ずまれ富士の嶺の珍しげなく燃ゆるわが恋
#藤原忠行 (ふじわらのただゆき) #古今和歌集 680 #jtanka #恋
あなたのことになると……誰かが見ていても見ていなくても、ずっと燃え続ける富士山のように……あなたに逢おうが逢うまいが、私の恋はずっと燃え続けているのですよ。
「君」は「私が恋しく思っているあなた」のこと。
「いへば」は「いへ+ば」。「いへ」は「いふ」の已然形。「ば」は確定条件を表す接続助詞。「いへば」は「いうと」の意味。「いう」は、ここではあまり意味のない補助動詞。「言う」ではなく「話題になると」や「に関係した状況では」の意味。「といふ」で「……である」という連語となります。「君といへば」は「私が恋するあなたのことになると」という意味。
「見まれ見ずまれ」は「見+まれ+見+ず+まれ」。「まれ」は「もあれ」から来る連語で「……であっても」の意味。「見まれ見ずまれ」は「見ても見なくても」あるいは「逢っても逢わなくても」という意味。
「富士の嶺」は富士山のこと。当時は噴火していました。ここでは「私の燃え続ける恋心」を「噴火し続ける富士山」と重ねています。
「珍し」はここでは「めったにない」。「珍しげなく」はそれを否定する「いつでも、どんなときでも」の意味。
「恋」と「火」を掛けています。
きみといへば みまれみずまれ ふじのねの めづらしげなく もゆるわがこひ
きみといえば みまれみずまれ ふじのねの めずらしげなく もゆるわがこい
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