今年より春しりそむる桜花ちるといふことは習はざらなん(紀貫之)
#紀貫之 (きのつらゆき) #古今和歌集 49 #jtanka #短歌 #春
「しりそむる」は「知り初むる」で「しり+そむる」。「しり」はラ行四段活用動詞「しる」の連用形。「そむる」はマ行下二段活用の補助動詞「そむ」の連体形。「しりそむる」は「しりはじめる」の意味。
マ行下二段活用〔め・め・む・むる・むれ・めよ〕
「習はざらなん」は「習は+ざら+なん」。「習は」はハ行四段活用「習ふ」の未然形。「ざら」は打消の助動詞「ず」の未然形。「なん」は終助詞で「……してほしい」という他に対する願望を表します。「なん」は「なむ」と同じ。「習はざらなん」は「習わないでほしい」の意味。
「花を咲かせ始めた」ことを「春を知り始めた」と擬人的に表現しています。
ことしより はるしりそむる さくらばな ちるといふことは ならはざらなん
ことしより はるしりそむる さくらばな ちるということは ならわざらなん
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