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仲間といっしょに受験勉強する環境の是非(学ぶときの心がけ)

質問

結城先生はじめまして。

そろそろ受験勉強をやらなければ間に合わない高校2年です。

受験勉強する環境については、静かなところでやった方がいいとか、雑音のあるところでやった方がいいとか、賛否両論を最近よく聞きます。僕は人よりも音を少し多く拾ってしまうみたいで、雑音のあるところでの勉強がはかどりません。

しかし、静かなところで勉強していると、勉強がはかどっても、今度は生活音や先生の声(音がある環境に置かれただけ)で頭が痛くなってしまうようになります。英語のCD等を流しながらや、リビングでの勉強でも同じでした。

最近は勉強会を開いて、若干音のある環境で勉強をしているので、生活にはあまり支障がありません。しかし、メンバー同士で勉強を教えているとどうしても全体的に進度が遅くなってしまい、勉強会の継続について考えこんでいます。

進度が早くて生活に支障が出るより、遅くても生活に支障がでない方がやはりいいのでしょうか。勉強会は続けた方がいいのでしょうか。受験勉強をする環境についてアドバイスがいただけたら嬉しいです。

結城浩のメールマガジン 2020年12月15日 Vol.455 より

回答

ご質問ありがとうございます。

人それぞれなので「こうしたらいい」とは言い難いですね。最初から「こうすべき」と決めてかからず、自分にとっての「実績」を見ながら調整した方がいいと思いますよ。進度や疲労度や掛けた時間などを総合的に判断するのです。

固定的な方法で継続できればそれに越したことはありませんが、勉強の進度に応じて、あるいは自分の得意不得意に応じて柔軟に対処することも大切です。当たり前のようでいて、けっこう難しいですけれど。

でもあなたの場合、自分の環境をチェックしたり、進度を意識したりと、そのように自分の状況を調整することが上手ですから、きっとうまく柔軟に対処できるのではないかと思います。

 * * *

受験勉強のために「勉強会」という形式をとる状況は、私にはちょっとわかりませんでした。複数人が集まって、自分の勉強をしたり、わからないところを教えたり教えられたりということですか。だとしたら、受験勉強としては非常に効率が悪いように感じ、すごく気になりました。

複数人が集まって、時間中は互いに無言で各人の勉強をして、開始時点と終了時点に雑談や教え合いみたいなのを行うのは、勉強の習慣づけとしては悪くないと思います。

ただし、その場合でも「雑談や教え合い」の時間はきちんと決めてだらだらしない工夫が必要になるでしょうね。もしも複数人が集まり、メリハリなく自学と教え合いが混在するとしたら、それはどうなのかなと思います。あくまで私の場合ですが、そのような環境では受験勉強はできないです。

 * * *

やや一般論になりますが、自分はどのような勉強方法がいいか、どんな環境を整えたらいいかを判断するときのやり方について。最初から決定版となる方法を決めつけるのではなくて、いろいろ試してみるのがいいと思います。

その際には、自分の「実績」を勉強日誌(作業ログ)として書くことを強くお勧めします。一分程度あれば書きとめられるくらいの、ごくごく簡単な記録でかまいません。「何月何日、こんな方法で何を何時間やった」のように記録して、ときどき振り返るのです。

そうすると、自分の受験勉強という活動をやや俯瞰して眺めることができますので、よりよい方法を検討する役に立つものです。

がんばってくださいね。


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