
体系的に理解するとはどういうことか(学ぶときの心がけ)
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質問
結城先生、私は「体系的に理解する」ということがどのようなものであるのか、まったく理解できません。具体的にはどういうことなのか、ご教示いただけませんか。
結城浩のメールマガジン 2020年7月28日 Vol.435 より
回答
ご質問ありがとうございます。
「体系的に理解する」ということがまったく理解できないケースは二つありそうです。一つは「当たり前すぎて理解できない場合」つまり何をわざわざ言う必要があるのかという場合です。もう一つは「本当にわからなくて理解できない」場合です。以下では後者であると想定して書きます。
「体系的に理解する」ということが本当に理解できないケースとして想像できるのは、「何かを理解する」とは「知識を覚えること」であると考えており、「深く理解する」とは「多くの知識を覚えること」であると考えている場合です。
もちろん、知識を覚えることや、多くの知識を覚えることは大切ですが、それは理解することとはずいぶん違います。
知識は、バラバラのままたくさん集めても、役に立たせることはなかなかできません。それは図書館のように本が整然と並んでいる状態と、脈絡なくバラバラに並んでいる状態とを想像すればわかると思います。同じ本が存在したとしても、バラバラでは役に立ちません。
体系的な理解について思うところをいくつか書いてみます。
体系的な理解の例(歴史と数学)
体系的な理解は知識のアップデートやチェックに役立つ
体系的な理解は「決まり切った枠組み」とは限らない
体系的に理解するとはどういうことか(学ぶときの心がけ)
結城浩
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本を書く生活がもうすぐ30年目。著書は『数学ガール』『プログラマの数学』『暗号技術入門』『数学文章作法』など50冊以上。活動内容は https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c をご覧ください。2014年度の日本数学会出版賞を受賞しました。