結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2018年10月2日 Vol.340
はじめに
結城浩です。
いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
十月ですね!
今年はとても災害が多い年じゃないでしょうか……九月の最後も台風24号が荒れ狂いました。
被災した方々にお見舞いを申し上げます。
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さて、『数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの』は編集部から組版+印刷の方に作業が進んでいるようです。来週の2018年10月12日よりも後で、次第に書店に並び始めることになると思います。
いつものことですが「何日に店頭に並びます」というはっきりしたことはいえません。せいぜいいえるのは「この日よりも前には店頭にはありません」ということくらいです。Twitterなどで「そろそろ本屋さんにあるかな」というツイートを見るたびに、はっきりした情報がいえなくて心苦しく思っています。
先日は結城が個人的に《サイン本プレゼント》の企画を行いましたが、それとは別に今回も《サイン本》の販売が予定されています。これは《通常本》とほぼ同日か少し先行しての販売になると思います。《サイン本》が配本される書店さんのリストは、結城が入手できしだいTwitterやWebなどでアナウンスする予定です。
できるだけ全国の書店さんに配本されるように出版社にはお願いをしていますが、冊数に限りがあるのでご了承ください。
◆『数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの』
https://bit.ly/hyuki-matrix
もしも私の数え方が間違っていなければ、今回の『数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの』は結城の50冊目の本となります(!)。
新版や増補改訂版などいろんな改版を合計しての話ですけれど、50冊というのはなかなかの冊数だと思います。ひとえに読者さんがいらっしゃるからですよね。本当に感謝します!
◆結城浩の著書一覧(PDF)
http://www.hyuki.com/pub/pubs.pdf
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ブラックアウトステッカーの話。
「数学ガール」シリーズにはリサちゃんという寡黙なコンピュータ少女が登場します。彼女はプログラミングが得意で真っ赤なキーボードを使うのですが、彼女の使うキーボードの上には文字が書かれていません。キートップの文字を見ることはないので、そもそも文字が不要だからです。無刻印キーボードを駆使するリサちゃんはカッコいいです!
ところで先日「キーボードを無刻印化するシール」というリアルな製品の存在を知りました。さすがに真っ赤なキーではなく、真っ黒なキーで「ブラックアウトステッカー」というそうです。
◆ブラックアウトステッカー(アマゾン)
https://amzn.to/2DFQxLy
MacBook Proのキーボードにこのシールを貼ると、文字がすべて見えなくなり無刻印キーボードに変身です。カッコいい! というか、カッコよさだけが目的ではなくてキートップの保護になりそうです。キーボードを酷使していると、キートップが削れてしまうのです。
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教師と生徒の仮想的な《対話》、その1。
教師「この方法はまだ教えてないだろう。教わってない方法を使っちゃだめだ」
生徒「もう教わりました!」
教師「誰から?」
生徒「いま読んでいる本から教わりました」
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教師と生徒の仮想的な《対話》、その2。
教師「この方法はまだ教えてないだろう。教師から教わってない方法を使っちゃだめだ」
生徒「もう教わりました!」
教師「どの教師から?」
生徒「私は、私という教師から教わりました」
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正しい目的のためだとしても嘘をいうのはよくないという話。
ネットを見ているとよくわかるのですが「『世の中を良くする』という目的を達成するためには、嘘を言っても構わないし、デマを飛ばしても構わない」と考える人は存在します。でも結城は、それはまちがっていると思いますし、自分はそのような行動をとらないようにしたいと思っています。
「良い目的のためには嘘を言っても構わない」と考える人は、簡単にいうなら話し相手を「だまそう」としています。目的の良し悪しは関係なく「嘘を言う」のは相手をだまそうとしていること。その時点で、相手を自分の目的のための道具扱いしていると言えます。そんなことをしてはいけません。
人間だから誰しもまちがいます。意図せずして嘘を相手に伝えてミスリードしてしまうこともあります。それはしかたがありません。でも、明らかな嘘だと自分がわかっているのに、良い目的のためだからといって相手に「嘘をつく」のは悪いことです。そう思わないとしたら、何かがおかしくなっています。
嘘をつくのは、基本的に相手をだますこと。つまりそれは、相手との信頼の絆を切っても構わないと言ってることになります。たった一回の取引相手のように相手を扱い、だませたらもうけものだという状態に近いのです。
と、ここまで書いてくると、極限状況にある例外も思いつくのですが、またそれは別の話となるでしょう。
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VRoid Studioの話。
VRoid Studioというのは3Dのアバターを作るためのツールです。WindowsおよびMacで動作する無料アプリケーションで、3Dのモデルを作ることができます。
◆VRoid Studio
https://vroid.pixiv.net
興味があったので、ダウンロードしてちょっとだけ使ってみました。ダウンロードしてからほんの数分で以下のようなキャラクタが作れます(スクリーンショットは少し昔のバージョンです)。といっても顔を調整して髪の毛をささっと描いただけですけれど。
◆VRoid Studioダウンロード後、数分でこのくらいまで来ます(スクリーンショット)
とても楽しいので、キャラクターの表情を変化させる様子を動画で撮ってみました。
◆キャラクターの表情変化
https://youtu.be/d9pEQfJfIAc
VRoid Studioでキャラの表情を変えていて思ったんですが、表情を変えると、見ているこちらもつられて同じ表情になりますね。それから表情の変化で感情の変化が引き起こされるのがよくわかります。なごやかな表情に変わるとこちらもほっとしたりして。
人間の心は、人間の顔に敏感に反応するのかもしれません。
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それでは、今回の結城メルマガを始めましょう。
どうぞごゆっくりお読みください。
目次
的外れな指摘をしてくる人への対処 - 文章を書く心がけ
質問
自分が作ったものや、自分の活動に対して、誰かから指摘を受けたとします。
「確かにその通りだ」と思う場合は、その指摘に感謝したくなりますが、「いやいや、それは的外れな指摘だぞ」と思う場合は、どう反応するのがいいのでしょうか。
結城さんのところにも、著書に対して「的外れな指摘」をしてくる人もいると思いますが、どのように答えていらっしゃいますか。
回答
ご質問ありがとうございます。
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