反対されると怒る人への対処法(コミュニケーションのヒント)
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反対されると怒る人への対処法(コミュニケーションのヒント)

質問

結城さんへ。

私は立場上、誰かと議論することが多いです。

議論相手の中に「反対意見を言われると怒る人」がいます。反対意見の内容が気に入らないというよりも、批判・指摘されること自体が気に入らないようです。

私はこういう人と、組織の利益を考えて議論する方法がわかりません。その人は「組織をより良くすること」よりも「自分の主張を通すこと」を大切にしているからです。

結城さんから何かアドバイスをいただけませんでしょうか。

結城浩のメールマガジン 2019年3月19日 Vol.364 より

回答

ご質問ありがとうございます。

「反対意見を言われると怒る人」というのはどのような組織にもいると思います。あなたの質問を読んだ人は「いるいる、そういう人」と頷くんじゃないでしょうか。

建設的な議論というのは、双方が参加しないと成り立ちません。そして「怒り出す」というのは論理的な議論に参加することを放棄しています。ですから「反対意見を言われると怒る人」が変わらない限り、建設的な議論は無理です。

以上です。

……で、終わってもしょうがないのでもう少し書きます。

一つ考えられる道があります。それは、怒る人とあなたの一対一の問題にするのではなく、組織の問題にするという道です。組織の利益をアップし、組織をよくしようというのは、怒る人やあなたの個人的な問題ではなく、組織の問題ですよね。

具体的には(それがあなたの状況で実現可能かどうかはわかりませんが)、組織の利益を考えて議論する「場」を、他の人たちの前や、組織の長のような人がいる所に設けることです。そうすれば、あなたの方に理があり、怒り出す方に理がないというメッセージを組織全体に伝えることはできそうです。

「反対意見を言われると怒る人」の態度を、あなたの行動で変えようとしても基本的には無理です。怒り出すか否かというのは、その人が内面に抱えている問題であって、あなたの問題ではないからです。

「反対意見を言われると怒る人」と議論することの問題点は、その人をなだめるため(怒り出さないようにするため)に議論の方向が曲がったり、肝心の内容以外のところにエネルギーが使われる点にあります。

たとえていうならば、スーパーで買い物をしているときに「お菓子を買ってくれなきゃ、ここを動かない!」という駄々っ子と同じです。困らせることで自分の意見を通そうとしている駄々っ子です。怒り出す人は「自分の考えを守るために怒る」という振る舞いをしている「駄々っ子」だと思って対処するしかありません。

ただし、怒り出す人の主張の正しさと、怒り出すという態度とは無関係であることは忘れないようにしなければいけません。怒り出す人の意見がすべて間違っているとは限りません。主張の内容的な正しさと、怒り出すこととは独立した概念です。

もっとも、その場合にこそ、怒り出す態度は問題なのですけれどね。組織の利益をアップさせる良い意見を持っていたとしても、怒り出すという態度によって正しさが伝わりにくくなってしまうからです。

ここまで「反対意見に怒り出す人はどうしようもない」というトーンで回答してきました。ただ、少し気になるところがあります。その怒る人は、反対意見を言われると「相手が誰であっても」怒り出すのでしょうか。それとも「相手があなたのときだけ」でしょうか。ちょっとそれは気に留めておいてください。

ご質問ありがとうございました。

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