結城浩ミニ文庫

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少女アルファの冒険(結城浩ミニ文庫)

少女アルファの冒険(結城浩ミニ文庫)

(これは、「算数ガール」に極めて近い「数学ガール」の物語) 図書室には、私だけのお気に入りスポットがある。図書室の隅、二つの書架の間にちょうど自分の体を納めるほどのスペースが空いている。お気に入りのその場所に、ぺたんと座り込んで読むのが好き。身体全体が包まれて、安心して本に入り込める。誰からも見られない、私だけの世界に。 その日……運命との出会いの日も、私は図書室にいた。森の木のようにたくさん並んだ書架の間を歩き回り、そしてたまたま、いつもは寄りつかない書架に向かった。ち

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箱の中の音(結城浩ミニ文庫)

箱の中の音(結城浩ミニ文庫)

ミステリ風味の夫婦の会話。 「ブルーベリー、買うの忘れてたから冷凍ので」と妻が言った。 白いテーブルで私と妻は向かい合い、朝食代わりのアサイーボウルを食べていた。シェイクしたアサイーフルーツをベースに、切ったバナナとグラノーラが入っていて、さくらんぼとフローズン・ブルーベリーがトッピングになっている。冷たくてほんのり甘い。 「彩りもいいね」と私はさくらんぼをつまんで言った。 ここ数日雨が続いていたけれど、今日は久しぶりに晴れた朝となった。大きく開いた窓から初夏を思わせ

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