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本を書く心がけ

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結城が本を書くときに心がけていることや、手書きの執筆メモなどをお届けするマガジンです。
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2021年8月の記事一覧

本を書くときの限界はどこにあるのか

本を書くときの限界はどこにあるのかというお話をしましょう。 結城浩のメールマガジン 2017年8月15日 Vol.281 より ※注意:以下の文章における「現在」は2017年です。  * * * 先日、筑波大学大学院の @buku_t さんによる、こんなツイートを読みました。 高校時代、特に好きなことも夢とかも無くて、本屋に行ったときに偶然数学ガールに出会い、そこから数学が好きになってここ(数学専攻 博士課程)まで来たので、結城先生にリプ送るとき未だにめっちゃ緊張す

自画自賛は恥ずかしくないか(本を書く心がけ)

質問自画自賛するのは恥ずかしくありませんか。 結城浩のメールマガジン 2019年11月12日 Vol.398 より 回答ご質問ありがとうございます。 自画自賛するのは恥ずかしいか、恥ずかしくないか。 よく考えてみました。「自分が作ったから」という理由だけで、自分の作品をほめたたえるのはいささか恥ずかしいときはありますね。 でも、自分の目で見て「うん、これはいいものだ!」と思った自分の作品をほめたたえるのはまったく恥ずかしくありません。 自分が書いた本の場合、長い時

オリジナリティと本の価値(本を書く心がけ)

結城は数学者ではありません。ですから、自分が本の中に書く数学的内容というのは、どこかの本を見て学んだ内容であることがほとんどになります。 結城が書く本の多くには、巻末に参考文献や読書案内があります。数学的内容を学びたいならば、それらの参考文献を読めばだいたい書いてあるといえます。少なくとも情報としては書かれていることになります。だとしたら、わざわざ結城が新しい本を出す意味はどこにあるのでしょうか。 結城の本を読むよりも、参考文献に書かれている本を並べて読む方がいいというの