レオンハルトの「フーガの技法」(日々の日記)
グスタフ・レオンハルトが演奏するバッハの「フーガの技法」はすばらしい。すべてにおいてすばらしいのだけれど、特に《間合い》がすばらしい。
バッハは、数学のようにかっちりしているという印象があるけれど、だからといって機械的に音符を並べればいい演奏になるわけではない。
レオンハルトの演奏を聴いていると「これ以上曲のテンポをゆらがせたら、すべてが崩壊してしまうのでは」というギリギリのところまで、ぐっとためているように感じる。そのあやうさが絶妙なのだ。
結城が文章を書くとき、その多くはグスタフ・レオンハルトの「フーガの技法」をBGMとしている。結城にとって、これくらい文章を整えてくれる音楽はない。
正確だけれど無味乾燥じゃない。「香り豊かな計算機」あるいは「官能的なビット列」の趣がある。
同じくバッハの「音楽の捧げもの」もお勧め。
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結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年1月19日 Vol.199 より
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