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どうしたら恋ができますか(コミュニケーションのヒント)

質問

恋愛に関する質問です。

今まで両思いになったことがなく、片思いで終わっています。告白しても、すべてフラれています。「好意を寄せていることが相手にバレている」ということに、そのときの自分が気づいていないのです。

また、物でも人でも執着してしまうと止まらないことがあります。ですから、人を本当に好きになっているのかさえ怪しいです。

矛盾しているように見えると思いますが、自分はどうしたら恋ができますか。

結城浩のメールマガジン 2018年11月20日 Vol.347 より

回答

ご質問ありがとうございます。

あなたの話としてというよりは、一般論に近い話として書きますね。

「恋にならない」ときにとても多いパターンは「自分のことだけを考えていて、相手のことを考えていない」というものではないかと思っています。恋は人間関係ですから、自分のことだけを考えていると、なかなかうまくいきません。

相手のことを考えるときには「自分と相手の立場を交換して想像する」のは良い方法の一つです。この「交換」がとても大事です。簡単な例を挙げます。

例1

この人は自分のことをよく理解してくれて、その上で自分のことを受け止めてくれる。自分のことを理解してもらえるというのはうれしいなあ。
 ↓
 (ここで自分と相手の立場を交換します
 ↓
 それでは、自分は相手のことを理解しているだろうか。理解した上で受け止めているだろうか。

例2

この人は、自分に好意を寄せてくれる。それはうれしいんだけど、見当外れなことを言いながら近づいてくるときがある。それは「引く」なあ。
 ↓
 (ここで自分と相手の立場を交換します
 ↓
 それでは、自分も相手に対して同じような接し方をしていないだろうか。

このように「自分と相手の立場を交換して想像する」ことは人間関係を整える上で大切です。

「執着」という言葉が出てくると、自分のことしか考えない場面が多くなるものです。対象に対する配慮、相手に対する配慮がなされているときには「執着」という言葉はあまり出ません。

《読者のことを考える》は文章を書くときの原則ですが、《相手のことを考える》は人間関係の原則ともいえます。愛の原則ですね。

「恋」の話をしましょう。「あの人と恋をしたい」と考えるときに《あの人》に重きがあるのならいいのですが、《恋をしたい》に重きがあると、「恋」が成立するのは難しいと思います。それは「自分と相手の立場を交換して想像する」とよくわかります。

恋は、自分一人でするものではありませんので《相手のことを考える》のが原則です。そして、自分がどうもまずいパターンに陥っていないかを考えるときに有効な方法の一つは「自分と相手の立場を交換して想像する」こと。

《相手のことを考える》ためには情報が必要です。どうやったら相手を深く知ることができるでしょうか。「自分のことを何も明かさずに相手のことを知る」のは難しいものです。「相手のことを知る」ためには「自分のことを相手に知らせる」必要がありますね。でも最初から自分のことだけを伝えようとしたら、自分のことしか話さない独り善がりな人になってしまって逆効果。そこに微妙で難しい部分がありますね。

相手は人格を持っています。ですから、何を見せるか、何を教えてくれるかは相手次第です。想像すればすぐにわかりますが「信頼できない人」に対して「自分の深いところ」を開示する人はあまりいません。ですから、少しずつ少しずつお互いに情報を開示しつつ、互いに信頼を築き、次第に親しくなるのが多くのケースであると思います。もちろん、例外も多数あるでしょうけれど。

あれこれ書きましたので、要点をまとめます。

  • 「恋」についてだけではなく「相手」について考える

  • 「自分」と「相手」の立場を交換して想像する

  • 「相手」を知ろうとするためには「自分」を知らせる必要があるが、自分のことを知らせようとするだけでは独り善がりになってしまう

以上の話は「恋」に限らずすべての人間関係に通じると思っています。

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#結城浩 #コミュニケーションのヒント #コミュニケーション #どうしたら恋ができますか

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