わが恋をしのびかねてはあしひきの山たちばなのいろに出でぬべし
#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 668 #jtanka #短歌 #恋
恋心を隠しておくことができなくて、私の慕う気持ちは山たちばなの赤い色のようにはっきりと表に現れてしまうでしょう。
「あしひきの」は「山」の枕詞。
「いろに出づ」は「内にある気持ちが、ふるまいや表情などを通して外に現れる」の意味。
「いろ」は「色」と「表情・そぶり・顔色」の二つの意味を掛けています。496も参照。
「しのぶ」という単語は「忍ぶ」(がまんする)と「偲ぶ」(ひそかに慕う)があり、奈良時代には発音も活用も異なる二語でしたが、平安時代に同音になったことで混同され、それぞれに活用を二種類持つようになりました。
わがこひを しのびかねては あしひきの やまたちばなの いろにいでぬべし
わがこいを しのびかねては あしひきの やまたちばなの いろにいでぬべし
※アイキャッチ画像は山たちばな(ヤブコウジ)ではなく、ナナカマド(Rowan Berry)です。
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