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おばあちゃんの思い出(教えるときの心がけ)

結城は小学生のころ「二進法」を覚えた。

十進法と違うような、それでいて同じような、そんな計算が楽しくて、紙にたくさん計算を書いて遊んでいた。

あるとき、祖母に「ここが2の位だよ」と得意げに教えた。十進法では1の位、10の位、100の位、1000の位になるけれど、二進法では1の位、2の位、4の位、8の位になる。

二進法を知らない祖母は、十進法の感覚で、

「浩ちゃん、2の位なんてないんだよ」

と私をたしなめかけた。しかし、その直後、祖母は「はっ」とした顔になり、

「いや、おばあちゃんにはわからないけど、おもしろい話なのかもしれないね」

と言い直した。そして結城のつたない説明を熱心に聞いてくれた。

孫が楽しそうに、しかも意味ありげなことをしている。そんなときに、自分がよくわかっていないことを不用意に誤りと断じないようにしよう、祖母はそう思ったのだろう。

自慢のおばあちゃんである。

 * * *

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年1月19日 Vol.199 より

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天国のおばあちゃん、二進法の本を書いたよ!

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結城浩

書籍執筆者。著書に『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など。http://bit.ly/hyuki-mm にて「結城メルマガ」をnote配信中。https://bit.ly/girlnote にてcakes連載中。2014年度日本数学会出版賞受賞。

教えるときの心がけ

先生が生徒に、上司が部下に、先輩が後輩に、親が子供に「教えるときにはこうしてみては?」という話題をお届けします。