「先生」という呼称(仕事の心がけ)
結城はしばしば「結城先生」や「結城浩先生」と呼ばれます。厳密に言えば、私は学校の先生ではないので、「先生」という呼称はふさわしくはない、と言えなくはありません。
でも、私としては「何とでもお呼びください」と思っています。
しばしば、大学の先生の中には「私を先生と呼ばないでください」という方もいらっしゃいます。「先生」という呼称が暗黙の上下関係を生み、自由な議論の妨げになる、といったニュアンスなのでしょう。私はその考えを批判しているわけではありません。
昔の話ですが、出版社の営業の方に「先生」と呼ばれたり、メールで「結城浩先生へ」と書かれると、むずがゆい思いがしたものです。「いや、結城のことを先生と呼ぶのはやめてください」と言ったこともあったかしら。でも、最近はあまり気にしなくなりました。
それは当然ながら「私も先生と呼ばれてしかるべき身分になったから」という意味ではありません。そうではなくて、営業さんもたくさんのお仕事を抱えて大変なので、結城の呼称が何だったかなんて(どうでもいい)ことに煩わせたくないからです。
忙しい営業さんを、そんな、どうでもいいことに煩わせたくない。結城のことは好きに呼べばいい。呼び捨てでも、さん付けでも、先生でも、呼びやすいように読んで貰えばいい。営業さんには、結城に対する気遣いよりも、
に心を砕いてほしいのです。
営業さん以外でも同じです。メールを送ってきた学生さんが、結城のことを「結城先生」と呼ぼうが「結城さん」と呼ぼうが、まったく気にしません。それよりも、感想メッセージの内容や、誤植の指摘の方が気になります。
呼称は呼称に過ぎません。
私は、少なくとも自分に関しては、「先生」をつけようが何しようが構わない、という立場です。そんなところよりも、言いたいことを言ってもらうほうがいい。「結城先生」と呼んだ方が言いやすいならそれでいいし、「結城さん」が言いやすいならそれでいい。私はそう思っています。
以上は、わたし自身の呼称についてのわたし個人の考えであり、他の人の考えを批判しているものではありません。
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