「私がこれを学んだところでいったい何になるのか」という思いがやってくる(学ぶときの心がけ)
質問
結城先生。私は、何か新しいことを知るのはとても好きで「勉強したい」や「やってみたい」といつも思います。
でも、ふと「私がこれを知ったところでどうなるのか、やったところでそれがいったい何になるのだろうか」という疑問に突き当たってしまいます。
どう思いますか。
回答
ご質問ありがとうございます。
あなたは新しいことを知るのが好きで「勉強したい」や「やってみたい」と思うのですね。それは素敵なことです。応援します!
私の場合も、あなたと同じように「何になるのか」という思いが来る場合がときどきあります。ですから、あなたのお気持ちはよくわかります。また、さまざまなことを学んでいる人の中には、あなたと同じく感じている方もたくさんいらっしゃると思います。
「私がこれを学んだところでいったい何になるのか」というのは「どうせ大した結果は生めないよ」というニュアンスですよね。これは多くの場合、学ぶモチベーションをかなり下げます。そして無力感や虚無感に襲われる危険性もあります。なので要注意ですね。
「いったい何になるのか」という思いのやっかいなところは、たとえ自分が何をやろうとも「それが何になるのか」と言えてしまうことです。これを突き詰めると、活動は何もできなくなってしまいますし、心を病んでしまう危険性すらあります。
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ですから結城の場合、「学んでいったい何になるのか」という思いが来たときには
という方向に考えを進めることが多いですね。
という流れになります。
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ところで念のために書いておきますが「私はこの学びをどう進めていきたいのか」のように、きちんと考えることは大切です。特に、疲れていないとき、心が病んでいないときに考えるのは大切です。
学ぶこと、何かの活動をやってみることは、自分の貴重な時間を使うわけですから、真面目に考えることは大切です。必要に応じて方針変更したり、方法を選んだり、大きな話としては進路を考え直す場合だってあるでしょう。
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ただ、あくまで私の場合ですけれど、夢中になって学んでいるときには「これを学んだところで〜」とは思いません。眠いとき、体調が悪いとき、進捗がないとき、気がかりなことがあるとき……そういうときに「これを学んだところで〜」という思いがやってくる場合が多いですね。まるで心のすきまから冷たい風がスッと吹き込んでくるように。
自分の心の中に浮かんだ考えだからといって、その考えにすべて従わなくてはいけないとは決まっていません。自分のちゃんとした活動をいきなりおとしめてくるような、いわれのない考えは蹴飛ばしてしまいましょう!でも、それと同時に真面目に検討すべきことは時間をとってきちんと検討しましょう。
自分にやってきた思いがどういう性質のものか、それをしっかりと見分ける必要があるのです。
ご質問ありがとうございました。
◆学習のモチベーションを保つには(学ぶときの心がけ)
◆自分の能力の低さにイライラしてしまう(仕事の心がけ)
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