見出し画像

学ぶことは何の役に立つの?(学ぶときの心がけ)

「三角形の面積を求める方法を学ぶなんて、僕の人生で何の役に立つというのですか?」

「簡単なルールを与えられたときに、それを具体例に適用することは、誰の人生でもさまざまな役に立つと思うよ」

「そのルールの話と、三角形の面積の話と、何か関係がありますか?」

「具体例を見たときに、そこに隠れているルールを見つけることは、人生で大切かもしれないね」

「そんなにややこしくて抽象的なこと、僕にはできませんよ」

「うん。だから、具体的な三角形の面積を求めることで、それを学ぶんだ」

 * * *

……こんな一連の対話が心の中に降ってきて、私はその対話にじっと耳をすませていました。

この対話に対して「なるほど」と思う気持ちと「そうかな?」と思う気持ちと、両方があります。

この対話で語られているのは「三角形の面積を求めること」を「思考の訓練」と見なす態度のようです。思考の訓練として役に立つ、と。

それはそれで一理あるのですが「三角形の面積を求めること」は「それだけで十分に楽しいこと」じゃないだろうかとも思えます。

知識を得ること。技能を身につけること。新しいものを学ぶこと。それらがいったい「何の役に立つの?」という疑問は大切です。しかし、それら自体が「おもしろいかどうか」という基準も大事なんじゃないでしょうか。

 * * *

「学ぶことは何の役に立つの?」という問いかけに答えるのは難しいものです。答えはたった一つに限ったものではないでしょう。

この文章を読んでいるあなたはきっと「学ぶことは何の役に立つの?」と言われたとき、答えの一つや二つを思いつきますよね。具体的な答えかもしれない。抽象的な答えかもしれない。真っ直ぐな答えかもしれない。やや斜に構えた答えかもしれない。誰かを守るような答えかもしれない。誰かを責めるような答えかもしれない。

でも、きっと、もう一つ別の答えがあります。

ぜひ、考えてみてください。

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年6月21日 Vol.221 より

 * * *

結城浩はメールマガジンを毎週発行しています。あなたも購読してみませんか。

#結城浩 #学ぶときの心がけ #学習 #学び #役に立つ


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

いただいたサポートは、本やコンピュータを買い、さまざまなWebサービスに触れ、結城が知見を深める費用として感謝しつつ使わせていただきます! アマゾンに書評を書いてくださるのも大きなサポートになりますので、よろしくお願いします。 https://amzn.to/2GRquOl

結城浩です。《スキ》を送ってくださり感謝。はげみになります!
26

結城浩

書籍執筆者。著書に『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など。http://bit.ly/hyuki-mm にて「結城メルマガ」をnote配信中。https://bit.ly/girlnote にてcakes連載中。2014年度日本数学会出版賞受賞。

学ぶときの心がけ

学校はもちろんのこと、生活や仕事の中にも「学ぶ」場面はたくさんあります。そんなときに心がけたいちょっとしたことをお話しします。
3つ のマガジンに含まれています