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受験生、劣等感と自己満足(学ぶときの心がけ)

結城浩

質問

結城先生、こんにちは。

いつも書籍やツイートなどでお世話になっております。劣等感と自己満足について質問したいと思い、自分なりにいろいろ考えたので、お忙しいとは思いますが先生のご意見もお聞かせいただければと思います。

私は現在大学受験生です。全国大会出場するほど自分より運動ができるのに東京大学などに現役合格できる人や、超有名中高一貫校に通って当たり前のように難関大学へ現役合格する人が毎年存在するという現実に、苦しい思いをさせられています。

結城先生もおっしゃっていたことで、先日読んだ本にも書いてあったのですが「他者と比べるよりも過去の自分より成長することを考える」ということを頭では理解していて、行動にも移してはいますが、その人たちも日々努力しているわけで、人が「生まれ持った能力の差」というものの不平等さをどうしても憎んでしまいます。

そうは言っても恨んでも仕方のないものなので日々鍛錬を積み重ねるだけなのですが、ただ過去の自分と比べるだけでは、はたから見たときに「自分に甘い自己満足」になってはいないだろうかと思ってしまいます。

なので自分に刺激を与えるために、あえて彼らと自分を比較してみることにしました。一定の効果はあったものの、やはり前述した「能力の劣等感」が出てきてしまいます。人それぞれに強みがあるとは言われますが、受験に関しては受験で彼らと勝負したいのです。

まとまりのない文章になってしまい申し訳ありません。劣等感と自己満足に挟み撃ちにされています。なにか目先を変えるだけではなく、根本的な解決に繋がるようなヒントがあれば教えてください。長々とすみませんでした。

結城浩のメールマガジン 2019年9月17日 Vol.390 より

回答

ご質問ありがとうございます。

以下、あなたへの回答というわけではない文章を書きます。

あなたの文章を読んでいると「自分には越えることのできない壁をわざわざ持ってきて越えることができない」と言っているように感じました。

もうすでにあなたは「劣等感と自己満足」を乗り越えるための文章や考え方にはいろいろと接していらっしゃるようなので、あまりくどくどとは書きません。ただ、あなたは「自分にできないことをわざわざ持ってきたがる気持ち」は自覚なさっているだろうか、とはお伝えしたいです。

人により、生まれつきの能力の差というものはもちろんあります。ある目的に関して、生まれつきの能力が高い方が、もちろん生まれつき有利になっていることになりますね。でも、いくら能力が高い人が存在したとしても、それは他人のことなので、どうにもすることはできませんし、「存在したから、何?」という話です。

能力が高い人との比較を持ち出すと苦しくなり、避けようと思えば避けられるのに、わざわざ「はたから見たときに自分に甘い自己満足になっていないだろうか」として「自分に刺激を与えるためにあえて」比べると劣等感を刺激される人と比較する……というのは、端的に言って方法がまちがっています。やめましょう。

もっとも、自分の能力との距離感がうまくつかめずに、淡々と努力を重ねていくことに不安を感じるというのは別にめずらしいことではありませんし、責められるべきことでもありません。それは、じつは、年齢によらず誰にでも起こることです。

素の自分だけで日々体当たりするのもよいのですが、苦しかったり、悩んだり、不安になったりしたときには、「そのようにもがいている自分自身が、確かにここにいるのだ」ということを思いだし、そんな自分自身を受け止めてほしいと願います。

他者と比較しても意味がないとわかっているのに比較してしまう自分。そんな自分が確かにここにいる。これがいまの自分だ。それを認めよう。だが、これが自分のすべてではない。また違う側面も持っている。悩みつつも、不安になりつつも、何とかしたいと願うのもまた確かに自分なのだ。

以上、あなたの質問への回答というわけではない文章でした。

受験、がんばってください。

◆「次の一歩」を進めよう!

◆落ち込むときの対処法

◆生きている意味と自分に与える猶予

◆理解に関して他人と優劣を比較しない


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#結城浩 #学ぶときの心がけ #受験生 #自己満足 #劣等感

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