国立大学に受かったけれど浪人したい(人生を歩む)
質問
結城さんへ。
国立の薬学部に受かりましたが、もう一年浪人します。
休学にして浪人するかで家族と意見が食い違っています。
家族は休学を勧めてきます。結城さんはどう思われますか。
回答
ご質問ありがとうございます。
以下のように状況を理解しました。もしも誤読していたらごめんなさい。
あなたは国立大学の薬学部に合格した。けれど、自分の第一志望ではないので浪人して再挑戦したい。ご家族は、合格した大学に籍は置いた上で休学して浪人したらという意見。あなたは合格した大学にそもそも行かず、浪人したいという意見。
あなたとご家族が相談して決めることですから、私には何とも言えませんが、私が親の立場なら、あなたのご家族と同じことを言いそうです。つまり、せっかく合格したのだから、どうしても浪人したいのなら、大学に籍を置いた上で休学して浪人したら、と。ただ、私が受験生なら、あなたと同じように考えるかもしれません。難しいですね。
難しいと私が感じるのは、「大学進学」に対して求めるものは人によってさまざまだからです。第一志望の大学や学部に入ることにものすごく大きな意味を感じる人もいますし、特に大学や学部にはこだわらず、とっとと先に進みたいと考える人もいます。
受験は大きな挑戦です。そして多くの受験生にとっては自分史上最大の挑戦です。そこで第一志望に合格したいと強く願うのは当然です。第一志望に合格できなかったときに再挑戦してリベンジしたいと考える気持ちは理解できます。
ただし、どうしてもそこには若い時代の一年を費やすというコストが掛かります。これをどう見積もるか。
また、特にあなたのケースで問題になるのは、一年後の受験において、今回合格した大学をもう一度保険として受けるのかどうか。さらに試験は水物です。今回合格した大学であっても一年後に合格する保証は何もありません。さて、それをどう見積もるか。
実際にどこの大学に行ったか、ということだけではなく、どのような取り組みをしたかという自分の気持ちも大事になるのは確かです。率直にいうと「自分は逃げなかった」という意識を持ちたいと考えたくなるものです。
ただ、これまた率直にいうと、それもまた定義次第、認識次第です。目の前のことにこだわりすぎず、きちんと気持ちを切り替えて進むのもまた判断ですし、決断です。
社会人になって、しっかりした仕事をしているにもかかわらず「自分は第一志望に行けなかった」と言い続ける人もいますが、そんなことをまったく気にしない人もたくさんいます。
浪人するかしないかみたいな話になってしまいました。あなたのご家族は浪人すること自体は許容しておられるのですね。あなたが休学を考えたくないのは、いわば「背水の陣」を構えたいからでしょうか。
それももちろん一つの考えではありますが、ただでさえ大きな心理的負担を抱えがちな浪人生活なので、あまり切羽詰まった感じにはしない方がいいのではないか…などと思ってしまいます。
私が思ったのは以上ですが、大事なことを一つ書きます。
さまざまな意見を聞いた後で、必ず自分のこととして決断するのが大事です。人の意見に従う場合でも、従うと選択したのは自分だと考えた上で従うのです。これは、結果がどうであれ、後悔を少なくする効果があります。
未来は見えないのですから、こうすれば良いと確定的なことは何も言えません。でも自分の判断で選んだと考えるなら、うまくいかなくても人のせいにせず結果を受け入れやすくなりますし、うまく行ったときの喜びは大きくなります。
以上です。よくご家族と話し合って決めてください。
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