マガジンのカバー画像

文章を書く心がけ

61
文章を書くときのちょっとした心がけやヒントをお伝えします。
運営しているクリエイター

記事一覧

並行して執筆をこなすコツ(文章を書く心がけ)

質問結城先生、こんにちは。 結城先生は、複数の執筆活動を同時並行的になさっていますが、そこには何かコツがあるのでしょうか。 といいますのも、自分にはそれがとても難しいことだからです。一つの長い文章を書いている期間はずっとそのことで頭がいっぱいで、他の長い文章を書くことなんてとうてい出来ません。 複数の執筆活動を並行させるコツを教えてください。 回答複数の本や文章を並行して進めるコツについてですね。 確かに結城は複数の本や文章を並行して進めています。ただし、それほど

有料
200

書くことはスキーに似ている(文章を書く心がけ)

あなたはスキー、できますか。 私はスキー、ちょっとだけできます。「ちょっとだけ」というのは、通常のスキー場を、多少のコブを乗り越えながら、パラレルターンでふもとまで降りてくるくらい。といっても、大学以降は数回くらいしか滑っていないので、いまとしては怪しいですけれど。まあ、ちょっとだけできます。 それで、と。あるとき文章を書いていて「書くことってスキーに似ているなあ」としみじみ思ったんです。なので、その話を書いてみようと思います。あなたがもしも、スキーをしたことがないなら、

有料
200

「朝の時間」は勉強と執筆のどちらに使うべきか(文章を書く心がけ)

質問結城浩様 こんにちは。いつも楽しく読ませていただいています。 結城さんはいつも質にこだわっておられると思います。 「執筆はできるだけ頭の冴えている朝にするべきだ」というお話を以前いただきました。非常に重要なことだと思ったのですが、いざ実行しようと思うと、別の悩みが出てきました、それは、執筆は、頭の冴えている朝にやりたいが、勉強も、頭の冴えている朝にやりたいということです。 数学にせよ、なんにせよ、勉強することは、頭の冴えているときにやってこそ身につくし、新しい発

有料
200

自分の文章を読んで嫌悪感を抱いてしまうのをどうしたらいいか(文章を書く心がけ)

質問はじめまして。いつもツイッターなどで拝見しております。先生の、信仰と思慮の深さあふれる文章に憧れております。 私も、書くことや言葉について知ることに関心があります。しかし、自分が書いた文章を後日読みますと、「つたなさ」や「つまらなさ」だけではなく「自意識の過剰さ」を強烈に感じてしまい、生理的に嫌悪感を持ってしまいます。そのため継続的に文章を書くことができず、結果的に進歩しません。 漠然とした質問でもうしわけありませんが、この状況を変えるためにはどのように心がければいい

書きたいものがわからず迷走(文章を書く心がけ)

質問結城先生、こんにちは。 いつもツイート拝読しています。 私はウェブで小説を書いている者です。 最近、自分の書きたいものがわからず迷走しています。 なんとなくこういったものが好き、憧れだ、というイメージはあるのですが、それを誤りなく形にする自信がありません。また、好きだと思う自分の気持ちは「恋に恋する」ようなもので「好きだと思う自分」が好きなのではないかと疑わしく思ってしまいます。 あいまいなものを誤りなく形にする、ということ自体おかしいことで、とにかくやってみよ

有料
200

思い浮かぶことを文章にまとめられない(文章を書く心がけ)

質問結城先生、はじめまして。 恥ずかしながら、私は文章を書くということがまったくできません。 いくつか思い浮かぶことがあっても、それらの関係性を考え、論理的なひとつの文章にまとめることがどうにも苦手です。完成まで何とか持っていけたとしても、そのためには途方もなく時間がかかります。 このような状況を克服するために有用な練習方法をおうかがいしたいです。 現在は、人の文章から構成を読み取ってそれを参考にするといったことをしています。 結城浩のメールマガジン 2018年5月

有料
200

《できあがり》まで持っていこう(文章を書く心がけ)

文章を書いていると、次のことをいつも(いつも)痛感します。 別の言い方をすると、これをこんなふうに書けば《できあがり》だと分かるのは、まだ道半ばの状態ということです。道半ばどころか、ようやくスタートと言ってもいいくらい。旅行の計画が立った状態はまだ旅行に出かけていません。それに近いですね。 だから結城は「どうしたら文章を書けるようになりますか」や「どうしたら本を書けますか」と尋ねられたときに毎回「まず書きましょう」と答えます。まずは書き始め、そしてどんなに短いものでもいい

絵本の読み聞かせと即興で作る物語

子育ての思い出話です。 子供が幼児から幼稚園くらいの頃のこと。 そのころ、いまから眠ろうとする子供といっしょに布団に入り、絵本を読み聞かせたり、即興でお話を作って聞かせたりしていました。 面白エピソードはいろいろあるのですが、その中の一つ。私は「子供が眠くなるような本の読み方」が得意でした。 どういうことかというと、一日仕事をしてきて、大人(私と妻)はゆっくり過ごしたいわけです。だから、子供には早く眠ってほしい。自分は眠りたくない。 そんなとき、私は絶妙の「眠そうな

文章が完成間近になったときに感じるつらい気持ち(文章を書く心がけ)

文章完成が近付くと、なぜかつらい気持ちになる文章を書いているとき、前から気になっている現象があります。 「結城メルマガ」でも「Web連載」でもかまいません。〆切前にがりがりと書き進めていて、分量的にはこのくらいで十分という段階まで来ます。 そのときに、「ものすごくつらい気持ち」に襲われるのです。 どういう気持ちかというと…… いま書いた文章が、さっぱりおもしろくない。 いま書いた文章が、無意味に思える。 いま書いた文章が、役に立たないように感じる。 そういう気持

有料
200

趣味で書く小説、どうしても他人と比べてしまい書けなくなった(文章を書く心がけ)

質問こんにちは。 わたしは趣味で小説を書いています。 昔は「書かずにはいられなかった」ように思います。まだ今ほど小説を読んでもらうプラットフォームもなかったため、見える範囲ではそこそこ人気のある方だったと思います。井の中の蛙でした。今はTwitterやpixivがあって、自分より素晴らしい小説を書く人がたくさん目に入ってきます。 小説を書くことではなく反応をもらえることが楽しかっただけだと気付きました。 書きたいものはあるのに思い通りに書けません。どうしても「あの人た

有料
200

自分の作品をおとしめない(文章を書く心がけ)

自分の作品をおとしめる行為をするクリエイタがときどきいます。たとえば、自分の作品をおとしめるニュアンスで「こんなしょうもない作品を高く評価する人なんて誰もいない」と主張するような行為のことです。 自分の作品をおとしめる行為は避けた方がいいと結城は思います。なぜなら、自分の作品をおとしめる行為は、その作品に注目した人や、高く評価した人をおとしめる行為になってしまうからです。 さらには、作品に注目するか否かや、作品をどう評価するかは受取手の問題なのだから、クリエイタがコントロ

年を重ねると文章は変化する(文章を書く心がけ)

三十代、四十代、そして五十代では文章が変化していく。 ……という話を書こうと思います。 結城の実感として「年を重ねると文章は変化するものだなあ」というほどの、しみじみした話になるでしょう。 結城浩のメールマガジン 2016年1月26日 Vol.200 より  * * *

有料
200

納得感のある文章を書くために(文章を書く心がけ)

質問結城先生のツイートやメルマガを読んでいると、なるほどなと思うことが多いです。どうしてそんなに納得感のある文章が書けるのでしょうか。 結城浩のメールマガジン 2019年12月3日 Vol.401 より 回答ご愛読ありがとうございます。うーん……改めて「どうして」と問われると困りますが、文章を書く際に心がけていることや意識していることは確かにあります。どれも「当たり前」のことばかりですし、たくさんあるので以下のような三点を書いてみます。 ・正直な気持ちで書く ・誠実であ

有料
200

ネット経由の原稿依頼で確認したこと(文章を書く心がけ)

結城は職業的な物書きですので「原稿を書いてください」という依頼を受けることがあります。といっても、ふだんは本を書いていますし、仕事の予定はたくさんありますので、積極的に自分から新規開拓の営業をすることはあまりありません。 結城は自分のWebサイトを持っていますし、TwitterやFacebookでいろいろ書いていますので、SNS経由で原稿依頼の連絡が来ます。電話番号は公開していないので、電話で原稿依頼が来ることはありません。 先日、インディーズ作家を応援する『月刊群雛(ぐ

有料
200